最近よくある動物を主人公にした3D CGアニメ作品であるShark Taleを観ました。魚ものということでFinding Nemoとカブってしまったせいもあるのでしょうが、日本でもあまり話題にならず興行的にも失敗に終わってしまったのではないでしょうか。世間ではニモの二番煎じのように思われてしまっていることでしょうが、制作期間を考えると実際にはそういうことでもなく単に不幸だっただけなのではないかと思います。
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定石通り声優陣には主役のWill Smithの他、Robert de Niro、Renee Zellweger、Martin Scorsese、Angelina Jolieらハリウッドの一流スターの錚々たる面々を当てており、日本語版でも香取慎吾や松方弘樹、水野美紀、西村雅彦、小池栄子らの俳優・タレント陣が採用され話題作りを行なっています。特にオリジナルのキャスティングはアニメのキャラクターにも反映されているようで、特に主役のOscarの顔がWill Smithを意識したものになっているというのは疑いようがありません。私は子供と一緒に日本語の吹替えで観ていたにも関わらず、Oscarの影にWill Smithがチラついて仕方ありませんでした。
私も大好きなShrekと同じ監督とDreamWorks SKGの制作による作品ということで、作品自体はユーモアに富んでいて映像も美しく、それなりに楽しむことはできます。しかし、いかんせん舞台が海底にある魚たちの街というあまりに非現実的な設定なので、感情移入は難しいものがありました。最終的にサメは魚を襲わないことを誓い仲良く暮らすことになるわけですが、するとサメは一体何を食べて生きていくことになるのか、といった単純な疑問も湧いてしまいます。
結局、最初の設定自体に無理があったのではないかということになってしまうわけですが、一方でニモが大ヒットしたことを考えるとWalt Disneyの力というのはやはり侮れないものがあると感じてしまうというのも皮肉なものです。作品自体の魅力はPixarの実力によるものなのは間違いありませんが、Disneyのプロモーション能力が物を言っているというのも疑いようがないでしょう。しかし、CGアニメの分野で現時点でPixarに対抗しうるのはDreamWorksくらいのものでしょうから、今後もShrekのように作品の魅力ではPixarを凌ぐものを創っていってほしいと思います。まあ、子供向けとしてはDisneyとは違ってちょっと毒があるような気がしますが…