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各所で報道されていますが、言わずと知れたWalt Disney社が、Toy StoryMonster’s Inc.、最近の作品ではFinding NemoIncrediblesなどのCGアニメ映画で有名なPixar社を74億ドルで買収することに合意したと発表されました(Pixarのプレスリリース)。買収は株式交換で行われ、Pixarの会長兼CEOであり大量の株式を持つAppleのCEOでもあるSteve Jobsは今回の買収の結果Disneyの筆頭株主になり、Disneyの取締役会の一員となるそうです。

Pixarのこれまでの作品はDisneyにより配給されてきましたが、前CEOとJobsの関係悪化からか今夏公開のCarsを最後にPixarとの契約は打ち切られてしまっていたようです。しかし、Appleは秋のイベントでDisney傘下のABCのテレビ番組をiTunes Music Storeで配信しiPodで見られるようになるという発表を行い、その時にDisneyのCEOであるRobert IgerとJobsの親密さをアピールするなど関係の深まりを垣間見せていました。

もともとLucas FilmのCGアニメ部門だったものをJobsらが買収し独立させたのがPixarの始まりだということですが、数多くの劇場用長編アニメをヒットさせ、他のCGアニメプロダクションの追随を許していません。私もPixarの全ての長編作品を観ていますが、どれも素晴らしいものばかりです。一方のDisneyは独自にChicken Littleを製作しては見たものの芳しくなかったようで…

Pixarの作品が優れているのはCGの映像の美しさやキャラクターの可愛さなどもさることながら、優れた脚本によるしっかりとしたストーリー作りにあるのではないかと思います。単にキレイとかカワイイというだけでは子供も飽きてしまうものでしょうが、ストーリーテリングに力が入れられているので大人も一緒に楽しんで観ることができる作品になっているのです。

さて、今回の買収によってPixarとDisneyだけではなく、AppleとDisneyの関係も近付くことになりますが、両社の協業でどういう展開が見られるのかがちょっと楽しみです。まさかミッキーマウスのマークがMacに入ったりはしないと思いますが…

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