Oliver Twist

元日以来今年2回目の映画の日の今日、ちょっと趣向を変えて有名なCharles Dickens原作のオリバー・ツイストを観てきました。Dickensは19世紀のイギリス、ヴィクトリア朝を代表する小説家ですが、実は私は一切Dickensの小説を読んだことがなく、タイトルを聞いたことがあるだけでした。もともと堅苦しいのはあまり好きではないのでこれまで興味を持つこともなかったのですが、SFやアクションが楽しくて好きでもそればかりを観ていては薄っぺらい人間になりそうだということで、ちょっと大人っぽいものを選んでみました。

これまでに何度か映画化されているようなのですがもちろん今まで観たことがありませんし、原作も読んでいないので新鮮な気持ちで楽しむことができました。物語は19世紀のイギリスの田舎町から始まります。まだ電気も車もない時代の、いつも曇り空のイギリスが舞台なので常に薄暗い陰鬱な映像ですが、それが暗いストーリーにぴったりです。しかし、舞台をロンドンに移すとそこは活気に満ち溢れ、行き交う馬車と賑やかな人通りから当時の世界の中心であったということが感じられます。

物語については公式ウェブサイトでも詳しく解説されているのでここでは述べませんが、9歳という幼なさでいくつもの不幸な目に遭うOliverには自分の子供を重ねて見てしまい、一層胸の痛くなる思いでした。結局一応はハッピーエンドを迎えることになるのでほっとしますが、単純には喜べず憂いを湛えたままの彼の表情に、見ている方も何とも言えない思いを引きずることになります。

19世紀のイギリスの衣装や街並みの再現はなかなか見応えがあり、制作費もかかっていることでしょう。Oliverをはじめ子供が中心の物語ということになりますが、主役のBarney Clark少年の演技も真に迫った見事なものです。「本年度アカデミー賞最有力」と謳っているのもあながち言いすぎでもないかもしれません。しかし、慣れないジャンルの作品だったので全体的には「こういうのもたまにはいいかも」というような感じでしたが、あまり感動というようなものが湧いてこなかったのはやはり私の好みではないということなのでしょう。また改めて原作に触れてみると新しい感動があるかもしれませんね。

オリバー・ツイスト〈上〉
チャールズ ディケンズ Charles Dickens 北川 悌二
角川書店 (2006/01)
オリバー・ツイスト〈下〉
チャールズ ディケンズ Charles Dickens 北川 悌二
角川書店 (2006/01)