National

テレビでも全てのCMを切り替えたりしているのでまさか知らない人はいないと思いますが、松下電器が1985年から1992年に製造したナショナルFF式石油温風機と石油フラットラジアントヒーターに設計的欠陥があり、一酸化炭素中毒で最悪の場合死に至る恐れがあるということで、製品の回収を行っています。

10年以上前に販売した製品について、今になって5万円で引き取るか、無償点検修理を行うなどというのはそれだけでも大きな負担になるのではないかと思われますが、さらにテレビCMや新聞の全面広告などだけでは不足だということで、日本全国の全世帯にハガキを郵送するというニュースが報じられていました。それから既に20日余り経過していたので、なかなか届かないものだなあ、と思っていたところ、今日になってポストに届いているのを見付けました。もともと2月中旬から、ということだったようなので、実際には予定よりも早く届いたようです。

ハガキの内容自体は既に何度も目にしている内容ですし、私の家には松下のヒーターなどはないので別に嬉しくもないのですが、このハガキの「配達地域指定冊子小包」というのに興味があったので、ちょっと楽しみにしていたのでした。この「配達地域〜」というのは愛称タウンプラスという郵政公社が始めたもので、丁目単位内の全ての世帯・事業所等に配達するサービスです。個別に宛先ラベルを貼ったりしなくても、届ける範囲を指定すると郵便局員が勝手にバラまいてくれるので、宣伝には便利なもののようです。今回届いたハガキを見ても表書きにも大きく「松下電器より心からのお願いです」などと記されているだけです。

その料金は同時差出個数によっても異なりますが、今回の場合は10万個以上の県外、特定サイズというところを見ると、1通21円ということになります。配達先は6000万世帯・事業所に及ぶということなので、郵送料だけで12億円を超えるということになります。これにさらにハガキの印刷コストなどがかかりますから、かなりの損失になっていることでしょう。

本来であれば欠陥製品を販売していたということでイメージダウンは免れないところではないかと思うのですが、今回の「誠意ある対応」のおかげで逆に好感を持ってしまう人も少なくはないのではないでしょうか。私はひねくれた人間なので、「営利企業がそんな誠意だけで動くはずはなく打算があるに違いない」などと勘繰ってしまうのですが、「損して得とれ」を地で行ったのが奏功しているようです。

今はPanasonicNationalのどちらのトップページもデカデカと一面「お願い」になっているのですが、これは一体いつまで続けられるのでしょうか。まだ1/3以上の所在が不明ということなのですが、これだけ昔の製品になると既に廃棄されてしまっているものも少なくないでしょう。捨てた人がいちいち「使ってたけど捨てたよ」とは言わないでしょうから、終りを見極めるのが難しいでしょうね…見切った直後にまた死亡事故でも起これば目も当てられません。