印鑑
日本にはおよそ27万種もの姓があるということで、その中にはごく限られた人数の一族にのみ残っているような非常に珍しい姓もあるわけですが、そういう姓の人は認印を買うにもいちいち注文して作ってもらわなければなりません。反対に、ごくごくありふれた姓の場合は必要になったときに店に飛び込めばたいてい用意されているのでいいのですが、そういう姓の筆頭格ともいえる「鈴木」姓の場合には売り切れてしまっている場合がある、などということを冗談で言っていたことがあります。それはあくまで軽い冗談のつもりであって、これまで一度もそういう目にはあったことがなかったのですが、つい先日それが現実のものとなってしまいました。

私の職場では認印を庶務の女性に預けておいて、捺印の必要な書類には適当に押しておいてもらうというような、ちょっとどうかと思うような習慣があるのですが、ちょっとした都合でその認印を変えてもらいたいと思い、新しい印鑑を近所の100円ショップに買いに行きました。最近はそんなものまで100円で買えてしまって便利なことこの上ないのですが、店頭のケースを見てみると愕然とするような事実が待っていました。「鈴木」の印鑑は人数が多いだけあってよく売れるということで本来在庫数が多く、その店のケースにも「鈴木」の分で6つのスペースが確保されていたのですが、見事に全て空になってしまっていたのです。無いものは仕方がないのでさっさとその店を後にしましたが、何となく全体的に空いているところが多いものの、「鈴木」の分が全くなくなってしまう前に補充しておいてもらってもいいものではないかと身勝手なことを心の中でつぶやいてしまいました。

認印などというものは本当にどんなものでもいいので、この週末にでも別の100円ショップに行ってみようかと思っていますが、誰でも買えるような100円ショップの印鑑が法的効力を持ってしまうというのも何だか妙なものですよね。欧米で一般的な署名の方がまだ真似をするのも難しくて有効ではないかと思いますが、日本人が下手にローマ字で署名しようとすると学校で習った単なる筆記体になってしまって格好悪いんですよね。漢字の署名は欧米人には真似が難しくてよい、などとも言われますが、実は欧米人には違いもよくわからないという罠があったりもして、別の日本人がスラスラと漢字で署名してしまうと通用してしまったりするということなので注意が必要です。私の署名は適当に崩した筆記体ですが、練習が足りないので再現性が低いという問題が…まあそれでもクレジットカードくらいなら何とか通用しているようなのでいいのですが。