ASTRO-F
昨日は打ち上げ直前になって雨天による延期となり肩すかしを食らってしまいましたが、今日は無事M-V-8の打ち上げに成功し、赤外線天文衛星ASTRO-Fを分離するまでを見届けることができました。

ロケットの打ち上げをライブ中継でリアルタイムに見るというのは私にとって初めての体験でしたが、淡々とカウントダウンが行われていると思っている間にゼロになった途端、爆音とともに画面が真っ白になってしまい、数秒後に無事に飛翔している姿を見てホッとする、というわずか数分間のドラマはなかなかおもしろい体験でした。打ち上げ予定時刻の1時間ほど前から中継が始まりますが、打ち上げ直前までは打ち上げシーケンスの解説や搭載している衛星の紹介が何回か繰り返され、これも番組仕立てになっていて気分をちょっと盛り上げてくれました。

打ち上げシーケンスを中断し、そのすぐ翌日に延期することができるというのは固体燃料ロケットならではということです。液体燃料ロケットの場合は中断後に一旦燃料を抜き取り、再点検の後に打ち上げ直前に燃料を注入する、という面倒な手順が必要となるため、こうはいかないようです。こういう面でも固体燃料ロケットというのはリーズナブルだということになりますね。打ち上げる衛星の重量によって搭載するロケットが選択されることになりますが、どちらのロケットを使うかで大きく打ち上げコストも変わってくるということで、衛星をどれだけ軽く作るかということも非常に重要ということになります。安く打ち上げることができればその分別の衛星に回せますからね。

今回の打ち上げ成功で、今年に入ってから3機のロケット打ち上げに成功したということになり、JAXAによる日本の宇宙事業もすっかり自信を取り戻すことができたのではないでしょうか。莫大な金額が投入された一品もので失敗が許されないというプレッシャーは私にはとても耐えられませんので、関わっていらっしゃる技術者の方々には全く敬服するばかりです。

ということで、今日は5時前に目を覚まして待ち構えてしまいましたが、なかなか有意義な体験でした。この分だとロケット打ち上げマニアになってしまいそうですが、打ち上げ予定を見ると今年はもう予定がないようで寂しくなってしまいました…

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