Formula 1大幅なレギュレーション改定で大きな変化が予想される2006年シーズンの開幕戦となるバーレーングランプリがバーレーン王国サクヒールのBahrain International Circuitで開催されました。

私を始め日本のF1ファンの多くは何といってもSuper Aguri Formula 1にとって最初のGPであるということで、まずはスターティンググリッドに着くことができるのか、そして完走は果たせるのか、さらに最後尾なのは仕方ないとしてその前との差はどの程度のものなのか、というところが非常に気になるところであったのではないかと思います。

その他、今年からはエンジンが2.4L 8気筒に変更されたこと、タイヤ交換が再び認められるようになったこと、「ノックアウト方式」と呼ばれる新しい予選方式に変更されたこと、とかなり大きなレギュレーション改定があり、エンジンが小さくなったことによるペースダウンを心配する人はいるものの、予選を含めこれまでよりもダイナミックなレース展開が見られるようになるのではないかと期待されました。ふたを開けてみると実際にその効果は覿面で、予選はその1時間にわたって常にコース上で動きが見られるようになり、これまでの1ラップ方式で退屈だったものが嘘のような面白いものとなりました。エンジンが小さくなったとはいっても技術の進歩はその低下分を上回るものがあったようで、ラップタイムでは去年のファステストラップがデ・ラ・ロサの1’32”238であったのに対し、今年はロズベルグの1’32″408という結果ですから、逆転するのも時間の問題でしょう。タイヤ交換が可能になったことでピット戦略にも幅が生まれ、ただ単に引っ張れば引っ張るほど有利という去年のセオリーはそのまま通用しないようです。

新しい予選はフェラーリが久々のフロントロウ独占を果たし、復活ののろしを上げたというところでしょうか。特にミハエルは故セナの記録に並ぶ通算65回目のポールポジションということで、新しいシーズンの幕開けから嬉しい記録で幸先のいいスタートを切りました。3番手にはバトンが着いたことで一番の出来と言われるホンダエンジンの力を発揮したようです。その後ろには去年のチャンピオン、アロンソが続きますが、ライコネンは去年同様安定しないマシンのせいでタイムが残せず、琢磨、井出の後ろ、最後尾からのスタートとなってしまいました。

本戦ではいろいろなことがありすぎてここで書くよりも各サイトのレポートを見ていただいた方がいいと思いますが、結果はミハエルが最後まで粘りを見せたもののピットアウト時にギリギリで先行したアロンソがトップとなり、ミハエルはわずか1.2秒差で2位、3位にはやはり最後尾からいつの間にか猛烈な追い上げを見せたライコネン、4位は5位のモントーヤと終始絡み続けたバトンが入り、再三言われている「今年はルノー、フェラーリ、マクラレン、ホンダのどこが勝ってもおかしくない」ということを証明したような順位になったようです。

また嬉しいのはSAF1の琢磨が見事に最後尾ながら完走を果たしたことです。給油リグの不調などで合計6回ものピットインを繰り返したようですが、大きなマシントラブルもなかったということで、ニューマシンの完成までをつなぐ仮のマシンによる初戦としては十分な結果だったのではないでしょうか。今は戦闘力など皆無なので順位やタイムを云々言える状況ではありません。井出の方は残念ながらリタイヤを喫してしまいましたが、次戦以降ぎこちないピットワーク共々改善されていき、近いうちに結果を残せるようになることでしょう。

その他では鮮烈なデビューを果たしたのはケケ・ロズベルグの息子ニコ・ロズベルグです。オープニングラップでの接触により一旦最後尾まで順位を落としながら、その後鮮やかなオーバーテイクを繰り返しながら7位入賞という見事な結果を残しました。去年までのBMWエンジンを失ってしまいましたが、信頼性のあるコスワースエンジンを積むことになった新しいウィリアムズにとっては非常に期待できるドライバーです。コンストラクターズ5位というポイントランキングは順当なところでしょうが、今後は番狂わせを演出してくれるかもしれません。