もともと低解像度のディスプレイでも判読を容易にすることを念頭にデザインされたM+ Bitmap Fontsというフリーのビットマップフォントがあります。12dotと10dotという小さなサイズのフォントで、この限られたピクセルを最大限有効に使って十分に識別が可能なようにデザインされている素晴らしいものなのですが、作者が2ちゃんねるに「日本語ビットマップフォント制作中。」というスレッドを立ててその中でリアルタイムに進捗状況をほぼデイリーで報告しながら制作が進められるという面白いものでした。私もこのスレッドの中で要望を伝え、それを反映してもらったという記憶があります。
このビットマップフォントは1年半ほどで一応の完成を見たのですが、その後このビットマップフォントに感銘を受けたユーザーからの「アウトラインフォントも欲しい」などという無茶な要望を受けてか、アウトラインフォントの制作まで開始してしまうことになっています。しかし、さすがにアウトラインフォントでは自由度がビットマップとは桁違いもいいところで、個人が趣味で制作できるようなものではありません。しかしそれをコツコツと進められていて、今のところ英数字とカナが一通り揃うようになっています。
そしてつい先日、M+ TESTFLIGHT 011として試用版が公開され、簡単にインストールして試してみることが出来る状態になっています。アウトライン版でも画面上での読みやすさが念頭に置かれているため、ウェブブラウザなどで使うには最適なフォントだと思うのですが、何しろまだかなと英数字のみしか揃っていないため暫定的に組み合わせられるフォントの漢字とのバランスが悪くそのままでは実用には辛い状態です。
しかし、きりんシステムさんでM+ と IPAフォントの合成フォント配布ということでM+フォントで揃っていない文字の部分をフリーで公開されているIPAフォントで置き換えたフォントファイルが配布されているのを知り、さっそく使ってみたところこれがかなり良い感じです。これまでも同じ作業を自分でやれば似たようなものが作れることは知っていたのですが、やはり面倒なのは間違いなく作業には移せませんでした。しかしこれを使えば十分実用に耐える品質で、読みやすいフォントを利用することが出来ます。
さっそくウェブブラウザでは使用する設定にしていますが、大きな文字も小さな文字も読みやすく優しい感じでとても快適です。Windowsのアウトラインフォントの表示性能があまり良くないので、Linuxなどではよりきれいに表示することが出来るようです。Macではアンチエイリアシングがきつく、ぼやけた表示になってしまうようなのが残念です。
日本語の場合は文字の種類がラテン系の言語とは比較にならないほど多いのでフォントの開発も大変で、フリーで利用できるフォントもごくわずかしかないのですが、このM+ Outline Fontsもいつの日か漢字も含め完成する日が来るのが待ち遠しいです。デザインがほとんど全てなので人数をかけたところでスピードアップすることも出来ないのが辛いところですが、私も何か協力できることがあれば力になりたいと思います。とりあえず今はこうして名を広める手助けくらいしかできませんが…
