予選から雨が降ったり止んだりで番狂わせがあった今年のオーストラリアグランプリですが、本戦の方はさらにとんでもなく大荒れのレースとなってしまいました。
予選を制したのはHondaワークスとしては38年ぶりというバトンですが、その後ろにはフィジケラ、アロンソ、さらにその後ろはモントーヤ、ライコネンが続き、レース序盤からバトンには苦しい展開が予想できるポジショニングでした。どう考えても今のバトンでは勝てるわけがないと思うのですが、テレビでは「ホンダ初優勝か?」などと浮かれた様子も見せていましたが、それは単なるスポンサーのご機嫌取りだったのかも知れませんね。まあ、何かが起こればあり得ないというわけではないのですが…ちなみにミハエルは予選最終セッションに進むことができず、またバリチェロに至っては最初のセッションで敗退と、かなり苦しんでいるようです。いうまでもなくSAF1の2台は予選タイムは最下位ですが、今回はさらに唯一エンジン交換ペナルティを課せられたビルヌーブが9位と健闘したため、スターティンググリッドでも最後尾に並ぶことになっています。
さて本戦が始まると、フォーメーションラップのグリッド手前でモントーヤがスピンを喫するというアクシデントによりエクストラ・フォーメーションラップが行われる、という大波乱を予感させる幕開けです。しかもそのエクストラ・フォーメーションラップではせっかく2番グリッドにいたフィジケラがストールさせてしまいスタートできず、ピットレーンスタートになってしまうというおまけ付きです。
そして仕切り直し後のオープニングラップは何とかバトンがアロンソを押さえて戻ってきたものの、後方では早くも多数の接触、アクシデントがあってトゥルーリ、マッサ、ロズベルグがリタイアし、いきなりセーフティーカーが導入されてしまいました。その後のローリングスタートではアロンソが絶妙なタイミングでバトンを刺してトップに立つことになります。
実はこのとき、琢磨は何と12番手まで上がっており、バリチェロ、クルサードというベテランを抑えて圧倒的に不利なはずのマシンで堂々と戦ってくれていたのですが、私個人としてはここがもっとも興奮し、感動した場面です。ということでここで満足したのでその後はある意味どうでも良くなってしまうのですが…
結局その後も数々のアクシデントにより合計4回のセーフティーカー導入があり、多くの車が散っていき最後尾でフィニッシュのはずの初完走の井出も13位という結果です。最終ラップでフィジケラを押さえて5位を走っていたはずのバトンは何と最終コーナー手前から白煙を吐き炎を上げて失速、コントロールライン直前で車を止めることになってしまいました。まあ、これはエンジン交換ペナルティを免れるための姑息な手なのでしょうが、今のホンダ・バトンは入賞ポイントよりも優勝が必要、ということからの判断なのでしょう。
近年稀に見る大荒れのレースを制したのはやっぱりアロンソ、それにライコネン、ラルフが続きました。トヨタは早々にニューマシンを仕上げて発表したのは良かったもののそのレベルは高くはなかったようで低迷していましたが、今回の棚ぼた的な表彰台を足がかりにまたトヨタ流カイゼンで尻上がりに結果を出せるようになってくるかもしれませんね。それに引き替えホンダ、特にバリチェロは入賞こそ果たしたものの…バトンも再三ローリングスタートでチャンスを与えられながらもTV解説の右京に「バトン下手くそですねー」と言われる始末…本当にこの2人に託して大丈夫なのでしょうか。
まあ、それはともかくこんなに荒れたレースの中でSAF1が嬉しい2台揃っての完走、しかも序盤の琢磨の奮闘ぶりは本当に見事なもので、私は非常に満足です。あとはマシンの初期の性能をレーシングディスタンスの間キープできるだけでも入賞もあり得るのではないでしょうか。それが今のSAF1には難しい課題なのかもしれませんが、近々導入されるはずのSA06ではひょっとしたらひょっとするかも、と期待してしますね。
