アニメSouth Parkの作者Trey ParkerとMatt Stoneらによる映画、「チーム・アメリカ」(Team America: World Police)がメチャメチャ面白かった、という声があったので私も観てみました。この映画はマリオネーション、つまりサンダーバードのような操り人形による人形劇で作られた作品なのですが、なぜかいわゆるR18指定なのです。まあ、サウスパークの作者だから言葉遣いの問題によるものかな…と思っていたのですが、実際はそれだけではなく、R18というのも納得できてしまう内容のものでした。
おおまかなストーリーは、世界の警察として平和のために日々戦うチーム・アメリカがアラブを操りFAG(Film Actors Guild 映画俳優協会)と手を組んだ金正日の手により窮地に陥るものの、俳優出身の主人公Garyの活躍により金正日を倒すことに成功する、というものなのですが、実際には滅茶苦茶な内容です。冒頭、パリに大量破壊兵器(WMD)を持ったテロリストがいる、ということで制圧に向かうわけですが、派手な銃撃戦によりテロリストを虐殺した挙句、エッフェル塔を倒し凱旋門を粉々にしパリの街を破壊してしまいます。結局どっちがテロリストなんだか、というのは今のブッシュ政権を茶化したものでしょう。その直後、全く場違い甚しいその現場で同僚にプロポーズする隊員がいて、さらに生き残っていたテロリストに撃ち殺されるという感動と悲劇の演出はハリウッド映画を皮肉っているのでしょうか。
その後もFAGに所属するハリウッド俳優らが実名で何人も登場しますが、有名になっただけで自分が特別だと思い込んでいる彼らを完全にバカにしており、彼らは皆最後には虐殺されてしまうことになります。結局、この映画は登場する全ての人々を茶化し尽くしているのです。そんな映画に声優として快く出演するような俳優がいるわけもなく、声優はTreyほか数人で一人何役もこなして担当しています。
まあそれにしても下品極まりない言葉遣いと表現、実写以上にリアルな殺戮シーンや実写ではあり得ないモロに写される嘔吐シーン、激しいベッドシーンで、私には少々厳しい映画でしたが、これまでに観たことのないユニークな作品でそれなりに楽しめました。マリオネーションは一級品で、あえて吊っているワイヤを消さずにマリオネーションらしく見せつつ、各キャラクターには豊かな表情を持たせているのが素晴らしく、人形でもこれだけの映画ができるのか、というのには驚いてしまいました。ただ、字幕が少々説明的になってしまっていて集中できなかったので、むしろ吹替えで観たほうがいいのかもしれませんが…字幕では十分なニュアンスを伝えるのは難しいのでしょうね。

