Brickyardかつてれんが造りの塀で囲まれていたことからBrickyardという名で親しまれ、今はコントロールラインに敷かれたレンガにその面影を残すアメリカにおけるモータースポーツの聖地Indianapolis Motor Speedwayにて、F1のアメリカグランプリが今年も行われました。昨年はミシュランタイヤの耐久性に大きな問題があって、ミシュランユーザーの全チームが決勝レースをボイコット、ブリジストンユーザーの6台のみでレースが行われるという前代未聞の珍事件が起こってしまったわけですが、さすがに今年はそんなことが許されるはずもありません。前回のカナダGPで通算100勝をあげたミシュランは今季限りでのF1からの撤退が決まっていることもあり、他のサーキットはともかくインディ500などで数多くのデータを持ちここでは圧倒的に優位なブリジストンに一矢報いておきたいところでしょう。

ということだったのですが、今回も全体的にブリジストン勢が優勢なまま予選も行われたわけですが、その一員であるSAF1の佐藤琢磨も例外ではありませんでした。これまでは古いマシンなのでどうしても最後尾が定位置となってしまっていて我々も歯がゆい思いで新車SA06を待ちわびていたわけですが、今回は堂々と他者とのタイム争いを行うことができ、何とロズベルグを抑えて予選18位という素晴らしい結果を出すことができました。一昨年、琢磨が初の表彰台3位を獲得したのがここIndianapolisですから、やはり彼にとって相性のいい、得意なサーキットなのかも知れません。

ということで否が応でも期待が高まる決勝グリッドですが、フロントローはミハエルとマッサのフェラーリ2台が独占していたということ以外、ほとんどどうでもよかったという結果になってしまいました。というのも、スタートでもたついたミハエルがマッサに先行を許し「これは何かあるかも!」と思ったのも束の間、そのストレートエンドの第一コーナーでモントーヤがライコネンに追突したのをきっかけに大クラッシュとなり、オープニングラップで7台が消えるという大波乱のレースになってしまったからです。

その後もあれよあれよとマシンが消えていき、結局完走を果たしたのはわずかに9台、完走さえすれば入賞も目前という状況だっただけにその中に琢磨がいないのが残念で仕方ありませんが、最初のクラッシュで入ったセーフティーカーが抜けた直後にモンテイロと絡みリタイアとなってしまったのも、それだけ琢磨が勝負を挑みにいっていたという姿勢の現れなので非難すべきでないと思います。

結局マッサはミハエルにトップの座を譲りはしたもののがっちりと2位をキープ、今回は久々に表彰台を逃し5位に甘んじたアロンソとのポイント差をミハエルがグッと縮めるためにも大きく貢献しました。一方フィジケラが3位に入りましたが、今回はアロンソと比べても速さが違っていましたので納得の結果ではないでしょうか。

去年よりは断然いいとはいっても久しぶりに見るサバイバルレースでコース上も閑散とした感じでしたが、それ以上に気になったのはスタンドの観客の少なさです。やはり去年の失態が尾を引いているのか、あるいはやはりヨーロッパ発祥のF1がアメリカに馴染んでいないのか、その両方なのかもしれませんが、各スポンサーらにとっても巨大なマーケットであるはずのアメリカでは何としてでも興行を守る必要があるのでしょうね。一方ヨーロッパの方は伝統があるとはいってもマーケットの割に開催回数が多く、その上観客の入りも渋いようでは今後縮小傾向となるのは仕方ありません。日本でも富士と鈴鹿で開催の見込みということですし、その分がアジアに流れてくることでしょうが、Indianapolisでやるかどうかは別としてもアメリカGPは安泰なのでしょうか。