北方領土返還要求シンボルマーク最近は日本の領土問題というと竹島尖閣諸島という韓国・中国との間の問題ばかりが話題となっていましたが、面積的にも最も大きく、また根深い問題となっているのがロシアとの間のいわゆる北方領土の問題です。小学校などでも日本固有の領土と教えられている国後・択捉・色丹・歯舞の4島/諸島ですが、実際にはロシアが占領・実効支配を敷いている状態になっており、返還要求を続けています。

この問題がつい最近になってクローズアップされたのは歯舞諸島に属する貝殻島付近で操業中の蟹かご漁船がロシア国境警備局警備艇に拿捕され、その際に乗組員の1名が頭部に銃撃を受け死亡したという事件が起こったためです。本来この海域ではロシアとの取り決めにより蟹かご漁は禁止されており、ロシア側の主張では違法操業を取り締まろうとしたところ逃走を試みたため威嚇射撃した、ということになっていますが、拘束されている船長らは突然発砲を受けたといっているそうで主張に食い違いが見られます。

仮にロシア側の主張通りであったとしても、日本国としての立場では日本の領海内での出来事になりますので、自国の領海内で他国の警備艇に漁船が攻撃を受け死亡者が出た、ということになります。となれば当然外交的に大きな問題と考えられ、政府も麻生外務大臣がロシア大使を呼び抗議しています。もちろんそれは相手の領海内での出来事であってもなされることでしょうが、政府の立場としてはあくまで人の領海で何をやっているんだ、という言葉になるのでしょう。

しかし今一つ盛り上がらず他人事のようにしか見えないのが日本の世論です。韓国や中国に対しては対決姿勢を鮮明に見せる人達がいるのに対し、相手がロシアという大国であるためかどうも尻込みしてしまっているように見えます。あるいは北方領土の領有権については分が悪いと感じているためなのかもしれません。もしもこれが竹島付近で操業中に韓国の警備艇に…という出来事であったりすればかなり大きな問題になっているのではないでしょうか。

とは言っても私もナショナリズムを煽りたいというわけではなく、これが北方領土問題を新たな局面に移行させる良いきっかけにならないかと期待しているのです。亡くなられたり身柄を拘束されている方々については大変気の毒なことだと思いますが、それが無駄にならず地元にとってもこれまでより自由に操業できるような方向に展開すれば浮かばれるというものではないでしょうか。

鈴木宗男議員の逮捕により北方領土問題も大きく後退したともいわれていますが、未だに平和条約も結ばれていないというロシアとの関係を根本的に改善するためにも、大きなわだかまりとなっているこの問題をスッキリと解決できればと願います。そのために何か私にできることはあるのでしょうか…

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