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Cinzano Rosso

私には薄いの1杯で十分。

私は昔からアルコールが全然ダメで、若い時にはなんとか強くなろうと努力してみたりもしましたが一向に変わらず、飲み会というのが嫌で嫌で仕方ありませんでした。ある程度年を取ってからは立場的にも社会情勢的にも無理やり飲ませるような人はいなくなって、ソフトドリンクだけで過ごせるようになったので宴会の席自体は楽しむことができるようになりましたが、完全に割り勘負けしてしまうのはいつものことです。まあそれ自体はまったく気にしていないのですが。

しかし私は酒が嫌いなのではなく、アルコールに非常に弱いというだけなのです。飲み慣れていないので焼酎など美味しさを知らない酒類はありますが、受け付けないのはビールくらいでしょう。ビールが駄目なのは若い頃に無理やり飲まされたせいではないかと思います。そんなビールは乾杯だけお付き合いすることもありますが、小さなコップ数センチ分飲んだだけでも顔が真っ赤になるくらいアルコールに弱いのです。

先日の健康診断の際には、血液検査のためにアルコール消毒した箇所が後で真っ赤になっているのを見て、やはり体質的にダメなのだということを実感したりもしました。私の父は今の私くらいの歳になってから嗜む程度に飲めるようになったそうですが、母はまったく駄目なので遺伝的なものもあるのでしょう。父にも母にも酒飲みの兄弟はいるのに不思議なものです。

ウィスキーは昔一人で頑張って飲んでいたこともあり、結構好きです。当時はショットグラスにストレートで飲んでいましたが、今はロックでちびちび飲むのが好みです。そう、量を飲むことができないので、濃いものをちびちびやるのがいいのです。

もう一つ私が好きなのが、チンザノ・ロッソです。イタリア・トリノの特産であるベルモットですが、ハーブが入っていることからちょっと薬っぽい味がするのが好みなようです。これを先日の職場の飲み会の二次会で行ったバーで見つけたので久しぶりに飲んで、とても良かったので自分でも購入してみたというわけです。

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私は近所の酒屋で購入したので1800円だったと思いますが、Amazonではアルコールまでずいぶん安く買うことができるのですね。今回は自分のためにアルコールを購入するなんて20年ぶりくらいのことですし、次があるとも思えませんが、何かの時にはAmazonで買うことになるかもしれません。

チンザノはバーで飲んだときと同じようにソーダで割って飲んでいますが、やはりプロが作ってくれた時の方が美味しいような気がします。ソーダを注ぐだけのことなのに一体何が違うのかわかりませんが、プロにはプロの技があるのでしょうか。まあおそらくは雰囲気の違いだろうとは思うのですが、それでもそれなりに美味しく飲むことはできているのでいいのではないでしょうか。ただ、調子に乗って飲んでしまうと簡単に二日酔いの頭痛になってしまうので気を付けなければいけません。実はアルコール分のないものがあれば自分にはその方が良いのではないかなとも思うのですが。

さくらぐみ

値段に見合う価値は十分。見直しました。

今日3月3日は何の日か、というと雛祭、耳の日、電話の発明者Graham Bellの誕生日…というようなことは5年前にも書いていましたが、この時は35歳の誕生日だったわけで、今日はついに40歳、名実ともに中年オヤジとなってしまいました。昨晩は三十代もあと数時間で終わるかと思うと急に焦りを感じてしまいましたが、一晩明けてみると実際には何の変化もないのが当たり前で、結局のところ一日一日を大切に生きて行くしか無いということを再認識した次第です。

ところで、自分や家族の誕生日にはとりあえず休暇を取ることにしているのですが、子供達は学校に行っていますので、こういう日には妻と二人でランチを食べに行くというのが半ば習慣となっています。今朝になってから、今日は何が食べたいかな…と考えたときに頭に浮かんだのがイタリアンで、さらにそういえばあの店に久しく行っていないな…と思いついたのが赤穂の「さくらぐみ」でした。早速予約の電話を入れてみると、なんとか2人なら大丈夫ということだったので、高速道路に乗って出掛けてきました。

赤穂といえば赤穂浪士や塩田が有名ですが、現在は海岸沿いの塩田があったところが工業地帯になっている以外はあまり活気もなく寂しい街になってしまっています。しかしなぜかここに、本格的なイタリア料理の店があるのです。かつては市内中心部、赤穂城のすぐそばにある小さな店で、店内にはびっしりと、なぜか小学校の机と椅子が並んでいて、メニューは大きな黒板にチョークで書いてあるという不思議なところだったのですが、昨年4月に瀬戸内海を望む現在の場所に移転したようです。十数年前にこの店を教えてもらった頃は隠れた名店のような感じだったのですが、あちこちの雑誌などで紹介されるようになってからは大変な混雑になってしまい、私はここ十年ほどご無沙汰していたのでした。そういえばフジロックにも出店していたりするようなので、そちらでご存知という人も多いかもしれません。

ということで車を店の近くの無料駐車場になんとか停めて歩いて行ってみると、何とも眺めのいい場所にありました。天気のいい日であれば地中海のように見えないこともないでしょう。店内はかなり広く、テーブル数は抑えてあって余裕が感じられました。フロアにはイタリア人らしき人が2人を含め男性ばかり4人で、落ち着いた接客ぶりにも好感が持てます。アラカルトメニューはなく、ある程度の好みを反映したおまかせコースのみというシンプルな構成です。肉か魚かを選ぶことができますが、今回は肉にしました。

まず一皿目は魚介と野菜のアンティパストです。この一皿は水牛のモッツァレラやサワラ、イカ、パプリカなどなどどれもこれも美味しくて、いきなり参りました。いかにもイタリアンというありきたりな味付けではなくて、地元の新鮮な素材を生かした上品な味に仕上がっていて、この後に続く料理が楽しみで仕方なくなります。

二皿目はピザです。店内には大きな炭窯があって、専門のピザ職人の女性が一枚一枚焼きあげてくれ、この店でも大きな目玉となっているものです。この店は「真のナポリピッツァ協会」92番という日本で一番若い番号を持つ店なので、その味は本物です。今回はマルゲリータと4種のチーズを半々にして焼いてくれましたが、私が最も楽しみにしていたのがこの店の4種のチーズのピザだったのでとても嬉しかったです。このチーズが非常に香り高く濃厚で、もちもちとしていて端はカリッとした生地によく合い、たまらない一品です。マルゲリータの方も悪くはなかったのですが、4種のチーズの香りが強すぎてこちらを先に食べたのは失敗でした。

続いて三皿目はパスタ、菜の花と春キャベツのボンゴレでした。パスタは6,7cm程のショートパスタで、やや固めの茹で加減で歯ごたえがありました。菜の花のほのかな苦味と春キャベツの優しい甘み、そしてからし菜らしきもののツンと来る辛味が絶妙で、旨みのあるアサリを引き立てていました。これを食べた後では、よくあるボンゴレ・ビアンコが単純で幼稚なものに思えてしまうのではないでしょうか。

そしてようやく四皿目がメインの肉料理、魚沼産健康豚のローストです。魚沼産というとどうしてもコシヒカリが思い浮かびますが、豚肉のブランドもあったのですね。この豚は非常に柔らかく、脂がたっぷり乗っていながらしつこくなく、シンプルな味付けで飽きない、これまた素晴らしい一皿で、一口一口ごとに「美味い」と呟いてしまうほどでした。

そして最後はデザート。妻にはチョコレートのケーキが出てきましたが、私にはイチゴの上にムース仕立てのチーズが添えられたもので、非常に甘い完熟イチゴにチーズのほのかな酸味が素晴らしい相性でした。デザートというのはコースの最後を飾るものだけにコース全体の印象を左右する非常に重要なものですが、シンプルなデザートながらその大役を十分果たしているのではないでしょうか。

なお、この後さらにエスプレッソが出てくるのですが、イタリア人はこれにたっぷり砂糖を入れて飲むというのは知っていたものの、その分量がどの程度のものなのかよくわからず、これまで私はそのまま飲んでいました。それはそれで美味いと思っていたのですが、今回はイタリア人ウェイターが「これは美味いよ! 任せてもらっていいですか?」と砂糖を入れてくれるというのでお願いしてみました。デミタスに入った1ショットにグラニュー糖をスプーン2杯ですから本当にたっぷりだったのですが、それを飲んでみるとこれまで飲んでいたものとはまた違う、濃厚な美味しさがそこにはありました。ただ、確かにこれはこれで悪くないかもしれない、とは思いましたが、やはり口の中が甘くなってしまうのでさっぱりしないのですよね…このあと水を飲んでしまうとコーヒーの後味も一緒に消えてしまいますから、困ったものです。

以上で大満足のコースは終了です。ランチで3670円というのはちょっとした値段ですが、味の面でもボリュームの面でも、それに見合う満足度は確実にあります。なかなか気楽に行ける距離ではありませんが、何かの記念日には今後も訪れてみたいと思った次第です。