「林檎はいかがですか?」で知りましたが、東京都現代美術館で開催されている「ハウルの動く城 大サーカス展」を記念して、協賛しているEPSONが「ハウルの動く城ペーパークラフト」を無料で8月31日までの期間限定でダウンロード公開しています。
このペーパークラフトは「製品シート」がおよそ50MiB、「組み立てガイド」も20MiB程度もある大変な大作で、おいそれとは始められないような気がします。私もとりあえずダウンロードしてみましたが、作業にかかる気になれるのは一体いつになるかわかりません。シートはA4版26枚もあるということですから、印刷するだけで満足してしまいそうです。
しかし、問題なのはこのファイル形式です。シートやガイド自体はPDFファイルなのですが、これをわざわざアーカイブしてWindows版(exe形式)、Mac OS 8/9版(hqx形式)、Mac OS X版(dmg形式)として配布しているのです。EPSON製品が公式に対応しているプラットフォームのみの対応になってしまうのは仕方ないとも思えますし、PDFを取り出す前に何かメッセージを表示したいとか、READMEファイルを同梱したいとかいうことなのかと思いましたが、実際にMac OS X版をダウンロードしてみましたが、そういったものは一切なく、PDFファイルが1つあるだけでした。
それだけなら単なる「シバリ」なのか…ということで印象が良くはないものの諦めもつくのですが、PDFファイル自体が圧縮されたものとなっているため、それをさらにアーカイブすることで逆にダンロードサイズが大きくなってしまっているということも問題です。たとえば、シートのPDFファイルhmc_pc.pdf
自体のサイズは49.6MiBなのですが、この配布形式hmc_pc.dmg
では58.9MiBとなっていて、なんと1.2倍、10MiBも増えてしまっています。hqxでは67.6MiBにもなっているので、さらに大変です。ただでさえ大きくて、それなりのブロードバンド接続でないと辛いところでこの仕打ちは問題ないのでしょうか?私自身は幸いADSL 24Mbpsで繋がっていますので、1分程度で済みましたが、切実な人もいることでしょう。
「タダでもらっておいて文句言うな」ということかもしれませんが、どういう理由で無駄なことをしているのかがさっぱりわかりません。ブラウザウィンドウに表示させず確実にファイルとしてダウンロードさせたいならウェブサーバが適切なヘッダを付ければいいだけでしょうし…FreeBSDを使っているときに最初に遭遇したので、単にPC Unixユーザへの嫌がらせなのかと勘ぐってしまいたくなります。
とはいいつつもペーパークラフト自体はなかなか期待できそうなので、子供と一緒にあとでじっくり楽しみたいと思います。
ちょっと冷静になって考えてみて、やっぱりヘッダではどうにもならないのかな、と思い、OS標準の環境だけで展開できる形式にしたかったのか、とせっかく無償公開してくれていることなので好意的に考えることにしました。ただ、最近のWindowsなら標準で開けるzipとか、Mac OS Xなら開けるはずのtar形式にしてくれるとUnixユーザも嬉しかったのにとも思いましたが、やっぱり最初から眼中にないのでしょうね…
あと、もっと楽しみたい人は書籍版を、ということなので紹介しておきます。
講談社 (2004/11/19)
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