私にとって麻布十番と言えば忘れてならないのが豆菓子専門店である豆源です。1865年創業ということで、今年でちょうど140年の歴史を持つ老舗ですが、豆菓子を中心に数多くの商品を揃えながら伝統の江戸の味を守り続けています。

そのバラエティの中でも私が大好きなのが出世豆です。ピーナッツに黒砂糖を絡めたシンプルなものですが、素朴で飽きない味でいくらでも食べることができてしまいます。もちろんピーナッツの食べすぎは色々よくないことがあるので控えることになりますが、あとを引くおいしさでついついあと1個、もう1個、とやめることができません。

江戸庶民の菓子といえばこういう素朴なものが多いのですが、欧米の文化に侵食されて徐々に日本の伝統が失われていく中でこうやってしっかりと護り継がれているというのは嬉しいことです。子供の頃は私もスナック菓子などの方が好きで、こんな古臭いもの、という感じでしたが、歳を取るにつれ良さがわかってきたように思います。今は全国の百貨店などでも買えるようですが、麻布十番に来たら浪花家の並びの豆源にも足を運ばずにはいられません。

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