携帯電話やPDA用のコンパクトなウェブブラウザであるNetFrontの開発元である株式会社ACCESSが、Palm OSの開発元であるPalmSource Inc.全株式を取得し子会社と合併させたということです。

私はIBM WorkPad 30J以来のPalm OSユーザで、今でもCLIE SJ30を使っています。Palm OSというのは良く言えば非常にコンパクトで性能の低いCPUでも機敏に動作するためPDAの用途にかなったOSということができますが、シングルタスク動作であり大量のメモリ操作にも向いていないなどOSとしては設計が古く、特にいわゆるマルチメディア系の用途には向いているとは言えません。SonyがCLIEをやめたのもその辺りの限界に達してしまったからでしょう。

Palm OSの魅力というのはそれ自体にあるわけではなく、それを取り巻く「開発者コミュニティ」とそこから生み出される素晴らしいアプリケーション群にあると思うのですが、ACCESSのプレスリリースを見ると合併の理由の中に「開発者コミュニティを取込み」などと書かれています。しかしコミュニティというのは人の集まりでしかなく、それに属する人の多くはPalm OSとは経済的な繋がりのない個人なので、ACCESSに吸収されてしまったPalmSourceについていくとは限りません。ましてや買収されたことによる影響で今後Palm OS採用のPDAがなくなったりするようであれば離れていくことになるのは時間の問題でしょう。

ただでさえ近年迷走している様子だったPalmSourceを取得することが本当にACCESSの利益になるのか、私には疑問に感じられてなりません。Palm OS自体に愛着はありますが、それがLinuxベースの全く別のOSになってしまったり、Palmの名を捨てることになるようであれば支持する理由はなくなってしまいます。私自身はNetFrontについてはほとんど関心もなかったのでACCESSがどうなろうと知ったことではありませんが、終わりの見えつつあったPalm OSにとどめを刺すことにならなければよいだけと思っています。