オランダのフライエ大学で教鞭を取るAndrew Tannenbaum教授がOSの教育用に開発し、かのLinus Torvaldsもこれに刺激を受けてLinuxを開発したというMINIXのメジャーバージョンアップであるバージョン3リリースされました

もともとこのOSは”Operating Systems: Design and Implementation”(邦題:「オペレーティングシステム/設計と理論およびMINIXによる実装」)という著書の中で教材として使われているものですが、AT&TによりUNIXのソースコードが非公開とされた後にUNIX Version 6の互換システムを設計しなおしたもので、マイクロカーネル構造を取るなど洗練されたデザインとなっています。しかしながらもともと実用を目的としたものではないので、性能よりもデザインとしての美しさを選んでいるような部分もあるようです。また、当初はフリーではないライセンスで公開されていましたが、2000年からBSDライセンスでの公開となっており、自由に利用することができるようになっています。

Design And Implementation (International Edition)
Andrew S. Tanenbaum
Prentice Hall (1992/10/01)
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オペレーティングシステム/設計と理論およびMINIXによる実装
A.S. タネンバウム A.S. ウットハル Andrew S. Tanenbaum Albert S. Woodhull 千輝 順子 今泉 貴史
プレンティスホール出版 (1998/05)
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私も実はOSの勉強をしようと思いこの本を買ってはみたのですが、まだ4分の1ほどのところで停滞してしまっています。仕事で作っている組み込みシステムにモダンなOSの要素を取り入れたいというのが動機だったのですが、なかなか読破する時間を取ることができません。そうこうしているうちにMINIXも進化していってしまうと、一体いつになったら追い付けるのかという感じです。

ダウンロードのページではライブCD-ROMイメージが配布されていますが、そのサイズはzip圧縮でわずか13MBと実にコンパクトなOSになっています。まあ、これだけでは何ができるというわけでもないのですが、ちょっとUNIXで遊んでみたいという程度の人にはいいのではないでしょうか。とはいえUNIX互換ですから、各種アプリケーションをコンパイルできれば立派に実用に耐えうるものができるのではないでしょうか。ソフトウェアのページでも各種アプリケーションがダウンロードできるようになっているようです。

私もとりあえずダウンロードしてみましたが、FreeBSDをインストールして使用しているので特にMINIXをインストールして使う意味はあまりなさそうです。アクセスが集中しているのか小さなサイズにも関わらずダウンロードには数分かかってしまいましたが。

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