Adobe AcrobatアメリカのAdobe SystemsからPDFファイルの作成・編集ソフトウェアの最新版、Adobe Acrobat 8がリリースされました。今回のバージョンアップによる変更点はニュースサイトなどでもいくつか挙げられていますが、ここで私が注目したいのは「墨消し機能」の追加です。

役所などが書類を公開する際、非公開としておきたい個人情報などを黒く塗り潰した状態として開示することがありますが、これと同じことを電子ファイルでやろうとしたとき、「蛍光ペン」の機能を使ってペンを黒色にして開示してしまうことがありました。原理をよく理解できていない人はそれでいいだろうと思ってしまうようですが、黒塗り部分を範囲選択して「コピー」の操作をするとクリップボードに入ってしまったり、PDFファイルには元のドキュメントのデータが残ったままとなっているので塗り潰している意味が全くなく、これによって情報が流出してしまうという事件も過去に何度もあったようです。

今回追加された「墨消し機能」では消した部分の情報はファイルから削除されるということなのでこういった問題が起こることもなくなるようですので、情報公開が求められるようなところでは積極的にバージョンアップしてもらった方がいいかもしれません。この機能が追加されたのは「消したことを残すことに意味がある」という官公庁からの要求によるものだということなので、私が言うまでもないことでしょうか。

そもそもPDFファイルの規格というのはAdobeが策定したものですが、オープンになっているものなのでPDFファイルを作るだけなら他にも有償・無償の様々なソフトウェアが開発されています。特にOpenOffice.orgなどでは最初からPDFでのエクスポート機能が組み込まれてしまっていますし、簡単に使えるプリンタドライバ形式のPDF作成ソフトウェアもいくつか公開されています。私の職場を含めあまり拘らないところでは特にAcrobatでなくても済んでしまうケースも多いのではないでしょうか。

これらの競合製品との差別化を図るためにもAcrobatにはこの他にも新しい機能が追加されて高機能化が進められているようですが、それが価格に見合ったものなのかどうか私には判断できません。PDFリーダーとしてはAdobe Readerに一日の長があるのではないかとは思うのですが、それでも複数のページを行ったり来たりするような場合にはもどかしいことが多いように思います。私の場合には仕事で1000ページを超えるようなマニュアルのあちこちを見なければならないことが多く、これだけは何とかならないものかと切実な思いでいるのですが…なかなか改善されないものです。同時に複数のページを開いておけたり、しおりを挟んでおけたりすると随分違うと思うのですが、どなたか作っていただけないでしょうか?