「今年の漢字」が「熊」になったというくらい、2025年は熊による被害が騒ぎになった年でした。中には生成AIによるフェイク画像で虚偽の通報が行われるという人騒がせな事件もありましたが、人身被害24人と例年に比べて大幅に増加しているとのことで、明らかに異常事態と言えるでしょう。多岐に渡る要因が重なった結果なのだと思いますが、その一つと考えられるのが、観光客らによる意識的あるいは無意識の餌付けです。野生動物に意識的に餌をやってしまうなんていうことはもってのほかですが、観光客が捨てていったゴミの中に食料となるものが残っていたというようなことも少なくないのでしょう。
そういったことを防ぐために、観光庁がインバウンドを含めた観光客向けに熊対策用のピクトグラムを作成したと発表しました。作成されたのは「クマへの餌やり禁止」、「ゴミ放置禁止」、「クマに接近しない」の3種類のピクトグラムで、ピクトグラムとしては若干複雑なものになってしまっているようにも感じますが、説明がなくても意味は十分に伝わるでしょうか。
しかし、これらのピクトグラムはあらゆるところに掲示しなければならないのではないでしょうか。これらが伝えようとしている3点はいわば常識的なことでしかなく、いついかなる時も守らなければならないことです。特に山間部では気をつけるべきということは言えるでしょうが、多くの観光客が訪れるところに掲示されることを狙っているのでしょうか。
熊の餌付け禁止は来日観光客本人よりも日本在住者を守るために必要なことです。国立公園などでの野生動物への餌やりは自然公園法で禁止されていて、2021年の改正で30万円以下の罰金が科せられるようになっています。しかし、これはあくまで国立公園や国定公園の中での話でしかなく、一般の山林に適用されるものではないので、これを危険な野生動物一般に適用するようなことも考えるべきかもしれません。違う文脈で言えば野良猫の餌付けも問題がある行為なので、危険かどうかに関わりなく適用してもいい気はしますが、まずは熊や猿、猪からでしょうね。

