たまにはのんびりした年末もいいものです。

例年、年末年始は自宅から600kmほど運転して東京の実家で過ごしているのですが、今年は実家の都合で帰省しないことになりました。しかし、せっかくの連休を何もしないで過ごしてしまうのももったいないということでいろいろ考えてみたところ、県内でありながらこれまで一度も行ったことのない有馬温泉が手頃でいいのではないかと思いつき、楽天トラベルで予約して行ってみることにしました。有馬温泉にはたくさんの旅館がありますが、その中で今回行ったのは月光園游月山荘というところです。といっても、実は積極的にこの旅館を選んだというわけではなくて、直前になって申し込むことになったためあまり選択の余地がなかったというのが事実なのですが、それなりに満足することが出来ました。

エントランスで車をバレーパーキングに預け、チェックインを済ませると、まずロビーのソファに座らされお茶と茶菓子が提供されます。この時は「ふーん」というくらいに思っていたのですが、これは昔ながらの旅館では部屋に通されたあとで部屋に置かれた茶菓子とお茶をいただくところを、ちょっと形を変えてみたということだったようです。その代わりに部屋には茶菓子はないので、早く部屋でくつろぎたいという人には逆効果のような気もしました。

宿泊はロビーのある建物とは川向いにある純和風の建物になっていて、私は最初「こんなホテルのラウンジから丸見えのところでは暮らしにくいだろうな」などと思ってしまったくらい普通の住宅のような外見の建物です。部屋の方は8畳の和室でしたが、築50年を超えているらしいので古さは否めません。まあ普段は洋風なホテル然としたところに泊まることが多いので、たまにはこんな純和風の、いかにも温泉旅館というところに泊まってみるのも面白いのではないかな、とは思いました。

温泉旅館なので風呂はそれなりに充実しています。風呂は宿泊棟にある鶴の湯、亀の湯と、露天風呂、隣接した鴻朧館の大浴場が利用できます。内風呂も一応ありますが、大浴場に行かないともったいないのであまり使う人はいないでしょう。私たちは鶴の湯、亀の湯を利用しましたが、冷え込みの厳しい日だったこともあって外を歩いていかなければならない露天風呂には行くのを躊躇ってしまい、結局行かずじまいです。

とここまででは今ひとつ冴えない旅館のように見えてしまうかもしれませんが、今回のハイライトは食事です。夕食朝食とも地元の食材を活かしマクロビオティックの考えを取り入れたという和食中心のビュッフェスタイルの食事になっていて、さらに夕食には肉料理と魚の造りが付きます。特に夕食では数多くのメニューの並ぶビュッフェとなっていて、全てをひと通り食べると男性でも満腹になってしまうのではないかと思いますが、そのうちのどの一品もなかなかの美味しさでかなり満足度の高いものになっています。普段和食よりも洋食を好んで食べることの多い私ですが、今回は素材の旨味を活かしきる和食の良さを改めて実感したような気がします。

ということで、年末だったために高めの料金になってしまったようなのですが、それに見合う満足感を得ることができたように思います。もちろん朝食前にも朝風呂を浴びて温泉も満喫してきましたが、一つ不満があるとすればインターネット接続がロビーのFREESPOT以外に利用できないということでしょうか。サンフランシスコではもうほとんどどこでも無料でWiFiが利用できるようになっていたので、その反動のようなものかもしれませんが、朝早く目覚めたのでニュースでもチェックしようかと思っても真っ暗なロビーに行かないといけないというのはちょっと残念でした。そんな時ぐらいネットから切り離された方が…というのもごもっともだとは思うのですが、すでに依存症のようなものなので仕方ありません。