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湊川隧道

一見の価値あり。

湊川隧道、正式名称は「会下山(えげやま)トンネル」という湊川の流路を変えるために作られた河川トンネルですが、2000年にできた新湊川トンネルに役目を譲り、現在は近代化遺産として湊川隧道保存友の会により保存されているものです。年間スケジュールのページにあるように毎月第3土曜日に無料一般公開されているのですが、そこで撮られた写真が非常に綺麗だったので、私もぜひ行ってみたいと思っていました。

しかし、だいたい気づくのはその日になってInstagramなどに写真が投稿されたのを目にしてからで、毎月のようにがっかりしてしまっていました。そこで、3月の公開直後にカレンダーに登録し、ちょっと前から意識するようにしてようやく念願かなって見学することができたのでした。なお、一般公開は午後1時から3時までの2時間だけなので注意が必要です。

湊川隧道の入り口は神戸電鉄有馬線の線路のすぐそばにあり、最寄り駅は有馬線の湊川駅および神戸市営地下鉄西神・山手線の湊川公園駅になります。しかし、私の自宅からこの駅までは交通の便が良くないので、三ノ宮駅前からすぐそばまで行けるバスに乗っていくことにしました。地下鉄よりも多少時間はかかりますが、神戸の街を眺めながらのんびり行くのも悪くないでしょう。

入り口に到着したのはちょうど1時を過ぎた頃でしたが、パンフレットをいただいて中に入ってみるとすでに何十人かの方が見学されていました。そのまま奥の方へ進むとトンネルの中央部に小さなステージが設営されていて、その上で当日のミニコンサート演奏者の方々がウォーミングアップされているところでした。当日は「神戸の風五重奏団」という木管五重奏のグループで、演目はジブリ曲集とフランスの楽曲集ということでしたが、私は最初の1曲だけを着席して聴き、あまり興味が持てなかったのでその後すぐに退席してしまいました。

演奏が始まる前はステージの裏側、トンネルのさらに先の方に数メートルだけ進むことができ、そこからトンネルの奥の方を眺めることができました。ここで取ったのが最初の2枚の写真です。照明の加減で金色に輝くトンネルが非常に幻想的ですが、おそらく誰でも簡単にこのような美しい写真を撮ることができます。必然的にInstagramなどには同じような写真が何枚も投稿されていますが、自分の目で見てみる価値はあるのではないでしょうか。

なお、11月18日の土木の日のイベントとして、11月には普段立ち入ることのできない部分を通れる「隧道通り抜け」が開催されるそうです。この日はミニコンサートが行われないので、純粋にトンネルを楽しみたい人にはこの日が最高と言えるでしょう。私も都合が合えば次はこの通り抜けを体験してみたいと思います。

ブリッジワールド

これも「日本は凄かった」の一つ。

2017年のゴールデンウィーク前半、特に西日本は天候に恵まれ真夏日となることもあるほどの陽気ですが、皆さんは有意義な休暇をお過ごしでしょうか。私の勤務先は工場の生産ラインの都合上、4月29日の昭和の日が土曜日なのでその前日も休みになって、5月7日までの10連休となっているのですが、残念ながら29日から体調を崩して3日も寝込んでしまい、折り返し点を過ぎた今日になってようやく体調がほぼ戻ったというような状況です。せっかくの休みがもったいないとも言えますが、逆に仕事を気にせず休むことができて良かったと思っています。しかし実は1日2日には一人で1泊ドライブ旅行に行く予定でいたので、それを泣く泣くキャンセルすることになってしまったのだけは、特にその2日間が絶好のドライブ日和だっただけに悔しくて仕方ありません。

というようなことを言っていても仕方がないのでそれは近いうちに取り返すこととして、その寝込んでしまう前日、実はすでに不調の兆しはあったものの行ってきたのがブリッジワールドというものです。本州四国連絡高速道路株式会社(JB本四高速)が行っている、明石海峡大橋を学ぶツアーで、もう何年も前から続いているのでそう珍しいものでもないのですが、最後は主塔の最上部まで登れるというので人気があるようで、私はたまたま1名分だけ空きができているのを見つけて申し込んでみました。私が長男と二人で2010年に参加した瀬戸大橋スカイツアーの明石海峡大橋版と言えるのですが、瀬戸大橋の方は人数や回数がかなり限定されていて倍率五倍以上の抽選で、その代わりに参加費は無料だったと思いますが、今回は3000円が必要です。

他にも違いはいろいろあって、明石では誓約書を書いたり注意事項の説明を受けたりしたあとで最初に橋の科学館で展示を前に橋の工法などについての説明があります。一人ひとりにトランシーバー受信機が渡されて説明が聞けるのですが、ここでもその後でも説明は非常に丁寧で詳しく、またちょっと離れていてもしっかり聞けるのがとても良かったと思います。

このあとはすぐ向かいのアンカレイジの中へ入りますが、がらんどうだった瀬戸大橋と違い、こちらは舞子海上プロムナードという展望施設になっているので普通のビルのようです。しかしツアーの一行はそこから管理用通路に出てしまい、ちょうど1kmほど歩いて主塔へ向かうことになります。ここも瀬戸大橋と大きく違うのは鉄道が走っていないので静かで広々していることで、中央に車両も通れる大きな通路があるので皆でそこを歩きます。瀬戸大橋のときには「ところどころかがんで通らなければならないところがあり」と書いていますが、そのようなことは一切ありません。

主塔に着くといよいよ4班に別れてエレベーターに乗り込み、塔頂部の横桁部分に向かいます。瀬戸大橋とは高さが100メートル以上違い、登った部分の高さは海抜289mにもなります。実は私は行ったことがありませんが、海面からの高さは東京タワーの特別展望台250mよりも高いということになります。私が工事中に行っただけで完成してから入ったことがない東京スカイツリーの天望デッキ350mには負けますが、吹きっさらしで、頭を出して真下を覗けるという点で緊張感は大違いです。高所恐怖症の人などは絶対に参加してはいけないツアーですが、と言うより行こうとも思わないでしょうが、写真を撮ってもらっていてもっと端に寄るように言われたおじさんが「ここここわいんですけど」とマンガのように吃っていてちょっと可愛かったです。

上からの眺めでは高さ以外に本州から直接橋が架かっているので神戸側の住宅街が近いというのが瀬戸大橋との大きな違いです。沖に1km出ているわけですが、高さがあるために視線の角度は下向きになるので、実際以上に近く感じて、結果的により高さが強調されるような感じになるのではないでしょうか。それにしてもこの日も天気が良くて塔頂部でもほぼ無風で、太陽に照らされた海の深い青と空の青さとで、とても気持ちのいい眺めでした。

ということで、最後には上で撮った記念写真などももらいましたが、何しろ丁寧で聞きやすい説明がとても素晴らしく、私には3000円以上の価値があったと思います。もちろんそれは土木建築などにどれだけ興味を持っているかにかかっているわけですが、興味のある人だけが申し込めばよいのではないでしょうか。また、瀬戸大橋での経験があったので比較してより一層楽しめたということもあります。ただ、ここでも「過去の日本の栄光」にすがっているような気がして、そういう感情的なところは出さずに淡々とやってくれればもっといいのにと思いましたが、説明員の方々も元技術者という人たちでしょうから、なんとかしたいという思いは隠せないのかもしれません。

ちなみに私が兵庫県に移住してきたときにはここに舞子タワーというものがあって、どうしてこんなものがあるのかと思って見ていたのですが、今思えば一度は登ってみるべきでした。びわ湖タワーと同じような老朽化した施設だと勝手に思い込んでいて、実は当時まだ開業2年、そしてわずか10年で撤去されてしまったのだとはつい最近まで知らなかったのです。しかしそもそも、目の前の国道を何度も通っていながら、なぜ当時建設中の橋を見に行こうと思わなかったのか、今さらながら自分の愚かしさにがっかりしてしまいます。まあ当時は公私ともいろいろ忙しかったのですけどね。

オーシャンテラスあじさい

めったにできない贅沢、でもまた来たい。

唐突ですが、私と妻が結婚したのは今からちょうど20年前、1997年のことです。月については新婚旅行でイギリスへ行くと決めていたので、現地の気候が最も良い6月にしたので20周年の日はまだちょっと先なのですが、20周年といえば磁器婚式…ということは知らなくても区切りの年であることは誰にでもわかるでしょう。去年までの例年は当日家族で簡単な外食をするくらいで済ませてきましたが、さすがに20年というのはなかなかのものだと思うので、今年はちょっとこれをネタに色々やりたいなと思っています。

まずはその第一弾ということで、次男が修学旅行に行っている間に長男に留守番を任せ、神戸は六甲山の尾根付近にあるオーシャンテラスあじさいという宿に夫婦で一泊してきました。六甲山なんて我が家から1時間そこそこで着いてしまうところなので普通なら泊りがけで行くようなところではないのですが、そこにわざわざ泊まってしまうということ自体がそもそも贅沢です。そしてもう一つ贅沢なのは、なんとこのホテルにはたった5室しか客室がないということ。ホテルというのはたいてい規模の論理で儲けを出すものかと思っていますが、そこをあえて客数を限定して顔の見えるきめ細やかな接客で迎えるという、これも大変な贅沢ではないでしょうか。したがって、宿泊にはそれなりの料金が必要になりますが、評判を見る限りとても満足度が高いようなので意を決して予約してみたのでした。

2週間ほど前になってから予約したために空いていたのは定員4人の部屋だけだったので、さすがに広々としていましたが、畳の居間と板の間の寝室は床暖房が効いていて、麓より気温が5度以上低くひんやりした山上でも快適でした。また普段はどこかに泊まってテレビを見ることなどほとんどないのに、自宅よりも大きな50インチ程度のテレビが備えられていたのでなんとなくスイッチを入れてしまいました。

私たち夫婦にとって旅行の第一の楽しみは何といっても食事です。このホテルでは食べきれないほどの豪華な食事が出ると聞いていたので間食も控えて臨んだのですが、この日は瀬戸内海で捕れた金目鯛を中心にした山海の幸十品の和会席で、完食はしたもののまさしく腹がはちきれんばかりでした。最も盛り上がったのは1枚目の写真のお造りで、2人でこれだけの量の刺し身を食べるなんてなかなかないことですから、この時点ですでに腹八分目は過ぎてしまったように思います。しかし一品一品どれもとても美味しくて残すこともできず、デザートのフルーツは部屋に持ち帰って落ち着いてからとさせてもらうほどでした。

浴室には大きな窓が2面に付いていて、体を流しながら神戸の夜景を眺めることができます。ただ一つ残念なのが温泉ではないことですが、その代わり屋上にはジャクジーが備え付けられていて、こちらは夜空の下で夜景を楽しみながらゆったりすることができます。ただ、気温がまだ低く湯冷めしそうだったので、私たちはジャクジーを利用せず、その隣りにある展望台から夜景を楽しむだけにしました。

翌朝目覚めると、この日も天気が良く清々しい青空だったのですが、あれほどいっぱいだったお腹も空っぽになってしまうのだから不思議なものです。そして臨んだ朝食は、やはりとても美味しく、そして量もたっぷりでした。出来たてふわふわの出し巻きや炭火で温められた湯豆腐、とても美味しかった蓮根まんじゅうなどなど、朝食にも関わらず12品、大満足です。小鉢でちょこちょこと多彩な料理を目と舌とで楽しむことができるというのが日本の料理の良さだな、と改めて実感しました。

ということで朝食後にもまた休憩が必要となってしまったのでチェックアウト時間ギリギリ、11時のアラームを聞きながら部屋のドアを開け、玄関前で記念写真を撮っていただき、大変気持ちよく過ごした夢のような時間でした。これからも何かの折に利用したいと思えるとても素敵な宿でしたので、皆さんも機会があればぜひご利用いただければと思います。なお、今回の夕食と朝食の写真はFlickrのアルバムにしましたのでご興味があればどうぞご覧ください。