オンラインソフトウェア販売のベクターの決算発表によると、法人開発ソフトウェアのダウンロード販売事業である「プロレジ」サービスについては好調で6.6%の増収であったものの、個人開発シェアウェアの料金収受代行の「シェアレジ」サービスは7.6%の減収と不振となっているとのことです。この原因についてベクターでは「低価格ソフトの台頭などにより、利用者ニーズが停滞傾向にあり」と分析していますが、本当にそうなのでしょうか。
私自身はシェアウェアというのが「趣味で作っておきながら小銭を要求する」ように感じてしまい好きになれず、あまり利用していません。特に試用期間を設けていてそれを過ぎると一切の機能が利用できなくなったり、試用中の機能に厳しい制約を課していて著しく使い勝手の劣るようなものであると、試してみる気さえなくなってしまいます。
そんな中でExplzhというアーカイバソフトウェアはもう何年も前に登録して利用しているのですが、機能も使い勝手もよく、継続的にこまめにアップデートが行われていて、とても気に入っています。この作者さんの様子を見ていると、1050円という料金ではとても見合うとは思えない労力を割かれていて、シェアウェアというのがまじめにやっていては割に合うものではないのだと思わされてしまいます。
無料という意味でのフリーウェアと、代金を要求するシェアウェアとの間には、その代金がたとえ1円であったとしても大きな開きがあります。対価を求めてしまうことによりその購入者に対する債務が発生してしまうため、様々な要求に対応しなければならなくなってしまいます。フリーウェアであれば「お裾分け」程度のものであるということを表明していればかわすことができる無茶な要求も、それなりに誠実な対応を求められることになってしまうのではないでしょうか。そんなことで個人のソフトウェア作者がシェアウェアではなく気楽なフリーウェアとしての公開を選択するということもあるのではないかと思います。
また、世の中にはシェアウェアと同等の機能を持ったフリーウェアが大抵存在して、ちょっと探せば見付けることができます。Googleなどのサーチエンジンの進化により、適切なキーワードさえ入力すれば求めるものが見付けられるようになってしまったのも、シェアウェアの衰退傾向の一因かもしれません。
さらに忘れてならないのは、これがベクターという一社の業績に基づくデータでしかないということです。私は普段はほとんど利用することはないのですが、たまにソフトウェアを探す手段の一つとしてベクターを利用してみることがあり、そのたびにその検索性の悪さに辟易することになってしまいます。カテゴリー分けが大雑把なのか、ろくに評価をせずに無節操に登録しているためなのか、自分の用途に応じたソフトウェアを探すことが非常に困難です。私はWindows用の場合は先に窓の杜で探してみて、見付からない場合に仕方なくベクターを見てみるというセカンドオプションの形になっていますが、そこで求めていたものが見付かるということはまずありません。窓の杜の方は運営姿勢について色々いわれることがありますが、個人的にはベクターの方はそれ以前の問題といった印象です。
まあ、シェアウェアもベクターも嫌なら使わなければいいだけの話なのでいいのですが、「低価格ソフトの台頭」というのには違和感があったので取り上げてみました。ソフトウェアに関する知識をほとんど持たない一般ユーザの場合にはわからないのかなと思うのですが、低価格ソフトというのがソースネクストなどのことだとして、あの多彩なラインアップのうちでフリーソフトウェアをパッケージ化しただけのものがどれだけあるかと思うと…
