OPEL1992年に日本法人が設立されるまで、1954年からのおよそ40年間にもわたってフォルクスワーゲンの輸入販売はヤナセが取り扱ってきて、そのブランドは確固たる地位を築き上げていましたが、薄利多売によるいっそうのシェア拡大を狙うメーカー日本法人と、品質保証を付加価値としたプレミアムブランドとして売りたいヤナセとでは折り合いがつかず、輸入権返上と共にフォルクスワーゲン社の販売も取りやめてしまうことになりました。

これに代わるブランドとして導入されたのがヤナセの自動車輸入業当初からの付き合いとなるGM傘下のドイツメーカー、オペルでした。1980年代にはいすゞが細々と輸入していた時期もありましたが、この時はヤナセの主力ブランドとしての展開であり、またフォルクスワーゲンに対するヤナセの意地もあって、販売台数でフォルクスワーゲンと輸入車トップブランドの地位を争うほどとなりました。品質や安心感に対価を支払うことのできる層にとっては「ヤナセ」こそが信頼のブランドであったため、ヤナセが勧めるなら、ということでオペル社を躊躇なく購入するということもあったでしょうが、一般に描かれるドイツ車の典型的なイメージである「武骨さ」の感じられないオペルには物足りなさを感じる人もあり、販売にはなかなか苦労したのではないかと思われます。

そんなヤナセも2000年にはGMの輸入権も返上して自動車輸入業からは基本的に撤退し、各ブランドを総合的に取り扱うメガディーラーという業態に移行することとなりました。在庫限りで終了そして2002年にはアウディの、2005年にはフォルクスワーゲンの販売を再開するに至り、結局はフォルクスワーゲンに対する当て馬的存在であったオペルの役目は残念ながら終わりを迎えてしまったようで、ついにオペルの新車販売は現在の在庫限りで終了ということになってしまいました。

このような書き方をするとオペルファンの方々には不愉快なのではないかと思いますが、私もオペル車自体に問題があるとは全く思っていません。GMの世界戦略の中でのオペルのポジションと、ヤナセが必要としていたブランドとの間に多少のギャップがあったことが問題で、そのために無理をしているように私には感じられてしまったわけです。あるいはそれは単に私の固定観念、先入観によるだけのことかもしれません。

今回の決定はGM本体の台所事情によるものだということで、今後の日本でのブランド展開はCadillac、Corvette、SAAB、Hummerに絞るということなのですが、本当にそれで大丈夫なのでしょうか。日本の各メーカーとの資本関係も相次いで解消して日本離れが急速に進行しているようですが、今後のGMにはどういう展開が待っているのか、人ごとながら心配になってしまいます。いや、あながち人ごととも言い切れなかったり…