Aeon Flux“AEON”というと小売り大手のイオングループや英会話スクールのイーオンが思い浮かんでしまいますが、もともとはラテン語で「永遠」などの意味を持つ言葉なのだそうです。さらに遡るとギリシャ語のαίών(アイオン)を語源とし、日本語の「えいえん」に音が近づいてくるというのも不思議なものですがそれはいいとして、映画「イーオン・フラックス」を見てみました。ここではAeon Fluxというのは主人公の名前なのですが、この名前もこういう意味に基づいて付けられたものなのかもしれません。

イーオン・フラックス スタンダード・エディション
ジェネオン エンタテインメント (2006/09/27)

今から5年後の2011年、新種の致死性のウィルスにより人類の98%が死滅するという中で、ワクチンを発見したTrevor Goodchildの一族を君主とする400年にわたる統治が行われる、外界から隔離されたコロニーBregnaが舞台となっているSF作品なのですが、あながちあり得ないとも言えない設定なのではないかという気がしてしまいます。数年前に大騒ぎとなったSARSなどでも下手をしたらこれに近い状況に陥っていたのではないでしょうか。

主人公のAeonは反政府勢力Monicansに属する戦士で、圧政を敷くGoodchildの暗殺の指令を受けて政府の要塞に潜り込みますが…というちょっとありがちな話です。まあもちろん話はそれだけでは終わらず色々と裏があるのですが、アカデミー賞女優Charlize Theronの演じるAeonのアクションが一番の見所なのかもしれません。ストーリー自体は悪くないような気もするのですが、何となくアクション主体になってしまって奥行きがなくなってしまっているように感じました。

Aeonの寝間着が無駄にエッチだったりするのは観客へのサービスなのかもしれませんが、未来は皆ああなのでしょうか。それ以外はあまり色気たっぷりというのでもありませんでしたが、対象は中学生以上くらいかと思います。最近の一般向け映画らしく残虐な描写も避けられているので、青少年への悪影響というのはなさそうです。

私自身何に期待してこの作品を見たのかよくわからなくなってしまいましたが、ごくシンプルなSFアクション作品でした。SF好きな人がのんびり楽しむにはいいと思いますが、アクションに期待するとそれほどでもないかもしれません。私が映画ズレしてきてしまっただけなのでしょうか…もちろん「これは!」という映画に出会うことも度々あるのですが。この映画は可もなく不可もなく、といった感じでした。

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