給油所この正月もいつも通り実家というか両親のいるところに帰省するため、関西方面と首都圏との間の片道600kmほどの距離を運転してきました。600kmと聞くと慣れない人は大変な長距離で疲れるのではないかと思われるようですが、慣れてしまえばどうということはなく、途中休憩も昼間なら一度、夜になって暗くなると視界の変化が減り眠くなりやすいので二度、サービスエリアによるくらいです。独身で若かりし頃は高速道路の通行量も惜しくて国道21号19号20号を使って深夜に片道16時間ほどもかけて走っていたものですが、同乗する妻子はたまったものではないでしょうし、さすがに今は私も体力的に持ちませんので、結婚してからは人間らしく高速道路を利用しています。

一般道をのんびり走っていたときは途中で温泉に立ち寄ったりもして、それはそれで楽しかったのですが、高速道路を使うとなるとせっかく安くはない通行料金を支払っているのだからと1分でも早く着きたいという思いに駆られてしまうのはケチな私だけでしょうか。そこでこれまではついつい大っぴらには言えないスピードで走ってしまっていたのですが、今回の帰省ではほぼ100±10km/hをキープするよう意識して走ってきました。といっても急に遵法意識に目覚めたとか、家族の安全を考えるようになったというようなわけではなく、ガソリンの価格が高止まりとなった今、少しでも帰省のコストを抑えることができないだろうかと考えてみたためです。

私が乗っているクルマはホンダEdixなのですが、もともとこのクルマは車両重量が1500kg近いため市街地走行時の燃費は良くありません。それは仕方ないかと思うのですが、このクルマの最大にしてほぼ唯一の特徴である前列3人乗車を実現するため、全幅が1795mmが広く、さらにサイドウィンドウが立っていてルーフも幅広くなっているため、一般の自家用車よりも前面投影面積が大きくなっています。このため、加減速の頻度が下がるため車重の影響が小さくなり燃費が良くなると一般に言われる高速道路の走行時も、空気抵抗が大きいためあまり燃費が良くなりません。だいたい市街地で8km/L、高速で10km/L行くか行かないか、というのがこれまでの実績でした。

600kmの距離を走るとなるとこの燃費ではどうしても途中で給油せざるを得なかったのですが、ガソリン価格の高くなった今はガソリン代も結構バカにならなくなってきたので、「経済運転を意識したらどれほどの燃費で走ることができるのだろう」と今回試してみたわけです。空気抵抗は前面投影面積と速度の2乗に比例しますので、面積を諦めるしかないのであれば速度を下げるほかありません。速度を下げれば下げるほど空気抵抗は小さくなりますが、エンジン自体の効率も考えると60km/h程度の時が最も効率よく走行できるようです。とはいえ、600kmの距離を60km/hで走っていてはそれだけで10時間もかかってしまいますし、周囲の他車にも迷惑になってしまい現実的ではありませんので、100km/h前後ということにしました。そういえば、以前別のクルマの時に未明の出発直後にパンクしてしまいテンパータイヤで走らざるを得なかったことがありましたが、その時はタイヤを守るため延々60km/hで走ったため驚異的な燃費を記録したのを覚えています。

また、スロットルをあまり開かず、車重の影響を抑えるため加減速を控えることも意識しました。このためには車間距離を大きめに取り、前車の車速の変化を吸収できるようにする必要がありますが、道路の利用効率や周りのことも考えると混雑時にはほどほどにするべきではあるものの、これも安全にも寄与するものですね。

以上の取り組みで結果はどうだったかというと、高速道路のみの正確な燃費は算出できていないのですが、600km走って燃料系はまだ20%ほど残っていることを示していました。ざっくり計算するとおよそ15km/Lほどということになりますので、これまでの1.5倍、あの数値はいったい何だったのかというような良い結果が得られたわけです。結局、速度を抑え、余裕のある車間距離を確保する、という安全上もごく当たり前のことをして、アクセルワークに多少気を使っただけのことなのですが、期待以上に良い結果が出て驚いてしまいました。

こうなると今後も特に帰省時は同じように経済運転を心がけて走りたいと思うのですが、右足を微妙に操作しなければならないのが少々疲れるところです。微妙な速度制御が可能なちょっと出来のいい定速走行装置が付いているとかなり楽なのだと思いますが、そうなると今度は運転がえらく退屈なものになってしまいそうなので、逆に無い方が適度な緊張があっていいのかもしれません。運転もあまり楽になるとクルマに乗せられているだけのようになってしまいますからね。