クルトガこれは久々にグッと来る文具

先日、私がいつも暇つぶしに見ているアレゲなニュースと雑談サイト スラッシュドット・ジャパンに「『クルトガエンジン』搭載、芯が回るシャープペン」という記事が掲載されました。様々なニュースの中に新製品発売の話題もよく混じってはいるのですが、文房具についての記事というのはそう頻繁にはありません。特にシャープペンシルなどという既に枯れたと思われるジャンルで、ここで取り上げられるほどとは相当に画期的なものに違いありませんので、一体どういうものなのかと興味を持って読んでみました。

ここで紹介されていたのは三菱鉛筆クルトガという製品で、3月21日に発売されたものでした。ニュースリリースによると、

新開発したシャープ内部機構により、文字を書くたびにシャープ芯が少しずつ回ることにより芯先が均一に磨耗し、常に円錐形の芯先を保つことで、いつも細く、濃く書くことができる

ということですが、この「シャープ内部機構」を「クルトガエンジン」と呼んでいるようです。

機構内部が3つのギアに分かれており、芯に連結された中ギアが、文字を書くときの筆圧を利用して、上下に運動します。上下のギアと斜めに噛み合うことで、一画書く度に中ギアと芯が少しずつ回転します。一画で約9度回転し、40画で1周します。

という非常に凝ったものです。

というようなことを知ると文房具も大好きな私は居ても立ってもいられなくなり、このニュースを職場で知った私はその日のうちに買って帰りたいと思ったのですが、大都会で何十分もかけて通勤されている方とは違い、自転車で10分ほどの私の場合は残念ながら職場から我が家までの間にはコンビニくらいしかありません。仕方がないので週末に…と思っていたら食中毒で寝込むことになってしまい、結局手に入れることができたのは昨日のことでした。やはりインパクトのある商品なのか店頭ディスプレイにはもうわずかな数しか残っていなかったのですが、私が狙っていた0.5mmのグリーンは1本だけあったのは幸いです。本当は0.3mmのブルーも一緒に買おうと思っていたのですが、残念ながら0.3mmの方はブラックが1本あるだけだったので、とりあえず今回は1本だけで我慢することにしました。

これを今日職場に持っていって早速メモ用紙に落書きしてみると、文字の1角1角ごとに手元の軸が回転するのが見えてなかなか楽しいです。こんなギミックがあると意味もなく画数の多い字を使ってズラズラと文章を書いてみたくなってしまいます。日頃手書きの文章を書くことが減って字が下手になったり漢字が書けなくなったりしている私のような人にとって、これは思わぬ副作用かもしれません。

ただ、期待したほどすぐには芯の先が上手く尖ってくれるものではなく、数分書いてみた程度では1方向に片寄ることはないものの、絵のようにきれいな円錐状にはなりません。まあ、文字の1角1角のストローク量もバラバラなわけですからそんなに上手くいくわけがないのですが、それでも普通のシャープペンシルよりも芯先は尖っているのでそれこそシャープな感じになりなかなかいい感じです。

まあしかしたかが450円の文房具でこれだけ楽しい気分にさせてくれるとは、私にとってはフラットクリンチ以来でしょうか。私はフラットクリンチの最初期型のクリアタイプを愛用しているのですが、これは今でもいい仕事しますからね。誰も羨ましくはないでしょうが、ちょっとした自慢のアイテムです。今見るとサクリフラットというのもなかなか魅力があってちょっと欲しくなりましたが、新しさはそれほどありません。いや、こんなことで語れてしまうというのもやはりマニアックでしょうか…