Holland, MI本物には敵わないでしょうが。

移民の国アメリカにはヨーロッパ各地からやってきた人達が作った町があちらこちらにあり、それぞれの出身地に因んだ名前が付けられていたりします。オランダの植民地だったあのニューヨークも以前はNew Amsterdamという名前だったというのは有名ですが、同じくオランダ人が作った、その名もHollandという町がミシガン州南西部、ミシガン湖のそばにあります。オランダといえば風車、チューリップ、木靴、デルフトといった辺りが思い浮かぶところですが、この町ではこれらを提供して観光客を招いています。チューリップが満開となるのに合わせて毎年5月にはTulip Time Festivalというのが行われているのですが、今年は異常な暖かさのせいでチューリップがすでに咲いてしまっているため、観光協会も「今チューリップを見に来て、祭りにはまた来てね」なんて言っている有様ですが、一体どうなることでしょうか。

私もこのチューリップは見に行きたいと思っていたところだったのですが、行かれた方のブログを拝見してこれはぜひ行かなければという気になり、早速今日行ってきました。土曜日に補習校があるおかげで日帰りせざるをえないのですが、Ann Arborの自宅からHollandまでは160マイルほど(約250km)もあるので、日本にいたら日帰りしようとは思わない距離です。しかしそれでもできる気になってしまうのは整備された無料の高速道路網のおかげでしょう。
The Wooden Shoe Restaurant
ということでHollandに着いてまず最初に訪れたのはThe Wooden Shoe Restaurant(木靴レストラン)です。いかにもな名前ですが、午後2時までという営業時間のこの店についた1時には入口では沢山の人が順番待ちをしており、かなりの人気店のようです。しかし回転がいいのか待ち時間はそう長くなく、併設されたアンティークショップを見たりしているうちに席に通されました。店員さんの愛想もよく、また出てきた料理も皆美味しく、とてもいい店でした。メニューは朝食向けがメインのようですが、お腹いっぱい食べても一人10ドルはいかず、コーヒーはたったの1.35ドルなのに魔法瓶いっぱいに出てきてしまうというのもちょっと謎です。店内はなぜか老人の姿が多かったのですが、みんなとても楽しそうに食事をしていたのも良い感じです。
De Zwaan
次に向かったのはWindmill Island Gardensという、風車がシンボルのオランダ村のようなところです。ここにある風車De Zwaanは実際にオランダにあったものを移設したもので、アメリカにある唯一の、そしてオランダから持ちだされた最後の風車だそうです。また園内にはたくさんの様々な種類のチューリップが咲き誇り、とてもカラフルできれいでした。また、オランダから持ってきたというStreet Organの実演もあって、説明してくれるのはともかくなかなか興味深く、その音色もノスタルジックで良かったです。

またこのあと、Veldheerという唯一のチューリップ畑にも行ってみました。こちらには百万本のチューリップがあるということで一面のチューリップを見ることができるのかと思ったのですが、残念ながらそれほどのものではなく、ただチューリップを売り物にしているだけあって沢山の品種を見ることはできました。まあWindmill Island Gardensを見ていたらこちらには来なくても良かったかもしれません。
Tulip
最後はせっかく近くまで来たのだからとミシガン湖畔のHolland State Parkにも寄ってみましたが、夏になると湖水浴客で賑わうらしいこちらも冷たい風が厳しく吹き続けていてすっかり体が冷えきってしまうだけでした。子供たちは砂浜で発散できたようなので良かったですが、やはり暑い時に行かないとダメですね。まあ、チューリップがなかったらここではなく他のところに行くような気もするのですが。

一日でこれだけ楽しんで帰路につき、自宅に帰ったのは午後8時でした。この時期8時はまだ明るいので調子が狂いますが、一日が有効に使えるのはいいですね。しかし遊んだ分、疲れは確実に来るので無理はできませんが…