ともかく一件落着。
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先週から突然一部界隈を賑わしたのがKim Kardashianでした。6月25日に矯正下着のブランドとして”Kimono”という名前を発表し、それとともに”Kimono”とそれを含む熟語を商標登録したのですが、これに対しcultural appropriation、日本語では「文化の盗用」と呼ばれる行為だとして日本内外の人々から非難の動きがありました。これに対して特にTwitterなどでは#KimOhNoというハッシュタグが付けられていたのですが、これはなかなか秀逸だと思いました。最終的には1日にKimが「慎重に考えた結果、ブランドは新しい名前で販売する」と発表し、このブランド名を撤回することとなったのですが、京都市長が再考を訴えるなどということもあったようです。

Kimはただ自分の名前を含むダジャレ的な考えで深く考えずに名付けたのでしょう。これは日本人が初めてcultural appropriationを実感することになる事態となったなどとも言われていましたが、実際には本当に一部の人だけが問題視していて、日本の多くの人はこの問題が解決を迎えるまで知りもしなかったのではないでしょうか。

私自身もどうしてKimがそんなに大きな影響力を持つようになったのか、知ってはいても理解はしていないのですが、現実としてInstagramでは1億4千万以上、日本の人口ほどのフォロワーを持っているわけで、これはまさしく大変な影響力でしょう。これでもしKimonoという名前の矯正下着が発売されていたとしたら、おそらくそれなりに認知されるブランドとなるでしょうから、そうしたときに少なくともアメリカではKimonoといえばKimの下着ブランド、ということになってしまうことは間違いないでしょう。アメリカでそうなったとすれば、他の国でも次第にそうした認識が広がってしまうはずです。

キモノといえば日本の伝統的な衣装という認識は揺らぐはずもない、というのは甘いでしょう。実際にはすでにkimonoというのは着物風のガウンのようなものも指すようになっています。今回の問題はそれとは違い、着物とはまったく違うものに対して、よりによって下着だったために侮辱されたように感じてしまったのでしょうが、Kimonoという名前は別に日本人のものでもないのでなかなか難しい問題ですね。