JR発足以来最悪の大惨事となってしまったJR福知山線の尼崎付近での脱線事故から2週間が経とうとしています。幸いなことに私自身や知人にも直接関連がなかったためにあえて触れずにいましたが、マスコミのJR叩きは目に余るものがあります。

今回の事故の責任がほぼ100% JRにあるのは間違いないでしょう。また、事故当日にボーリング大会や宴会を行っていたというようなことは、被害者の心情を考えればJRにとって失敗であったと思います。しかし、記者会見の席上、JR幹部らに対してマスコミの記者らが鬼の首を取ったかのように「あんた」呼ばわりで非難めいたことを言うのはどうなのでしょうか。普段なら相手にされないような社会的地位が上の人をやりこめることができて、そういう記者らは爽快なのでしょうが、何かを勘違いしているとしか思えません。

事故を起こした列車に乗客として乗りあわせていた運転手らが救助活動に加わらずに出勤し乗務していたという件については、確かに救助活動を行っていれば叩かれることもなく良かったのでしょうが、JR社員ではあってもその時点では乗客であり被害者であるわけで、業務時間外の行動についてまで会社側に責任を問われてしまうというのも辛いのではないかと思います。だいたい、必死の救助活動が行われている最中にその光景を撮影し続けていた報道スタッフらは、インタビューで被害者を困らせるだけでなく、役に立つことをしていたのでしょうか。

また、直接関連のない職員の宴会等についてまで問題視するような報道がされていますが、それは「JR西日本の社員は喪に服せ」とでもいうことなのでしょうか。被害者から見れば「こんなときに笑って酒を飲むなんて」という感情になるのはわかりますが、社員のプライバシーまで規制するような権利があるのか、そもそもマスコミが被害者の声を代弁する必要があるのか、ということが私には理解できません。

とりあえず今のところはJRを叩いておけば視聴者の受けがいいということで現状の報道姿勢があるのでしょうが、そんなJRの粗探しに奔走するのではなく、もっと有意義なことができないのでしょうか。ちょっと前には偉そうにメディアの『公共性』とやらを説いている人がいましたが、それがこういうもののことを指していたのかと思うと何だかなあ…という感じです。