日課のウォーキングをしていてふと思ったのですが、最近、信号の無い横断歩道で車が道を譲ってくれることが多くなったような気がします。これはただの気のせいでしょうか。地域差もありそうですが、少なくとも私が家の近辺を歩いている限りでは、そのように感じます。流量の多い道路ではしばらく止まってもらえないこともありますが、1台だけ単独で来たような時はたいてい止まってもらえるような気がします。

もちろんこれは良いことですし、道路交通法第38条でも定められていることでもあるのですが、以前は守られないことが多かったのではないでしょうか。それが守られるようになったのはどういう背景があるのかよくわかりませんが、人に優しい社会になったということは歓迎すべきことです。仮にそれが取り締まりや社会的制裁が厳しくなったからであったとしても、動機はどうであれ、結果としては良いことでしょう。

しかしここでふと気になったのは、自動運転のアルゴリズムでは、横断歩道の近くに歩行者が立っていた時に停止線で止まるような仕様になっているのだろうかということです。理屈の上では自動運転車は法令遵守を人命保護の次くらいには優先しているはずなので、そのような場合にも当然停止すべきだろうとは思います。しかし問題なのは、横断しようとして待っている人と、横断歩道の近くで立ち話をしているだけの人とを、自動運転車が区別することはできないのではないかと考えられることです。

運転者が人間であれば、歩行者に横断の意思があるのかどうかは雰囲気でわかったりもしますが、現在の自動運転車の能力でそこまで判断できるとは思えません。仮に立ち話をしている人がいるせいで停止してしまったとすると、そこから動き出すためには運転者あるいは車に乗っている人が何らかの操作をする必要があるように思います。しかし、だからといって自動運転車が法律を守らなくていいということはありえないので、やはり停車するのでしょう。

やはり軽く調べてみただけでも、これが自動運転の課題の一つであり、「38条1項問題」(PDF)というものがあることがわかりました。日本でレベル4以上の自動運転車が実用化されるためには、このような課題もすべて解消される必要がありますが、この問題一つとってもその道のりはまだまだ長そうなことがわかります。横断の意思を判断するというのは、本当の意味でのAI (人工知能)が実用化され、自動車に載せられるようにならない限り難しいのではないでしょうか。そうなると私が生きている間にできるのかさえ怪しい気がしてしまいます。まあ、何らかの技術革新が起きて不可能が可能になる時が来るのかもしれませんが。