昨日のニュースですが、警察庁道路交通法施行令の改正を検討しており、その中に生活道路の法定速度を時速30キロに変更するというものがある、と報じられました。これは意見の募集についての報道発表に基づくものです。

しかしこれについて対象となる道路がどういうものなのか、ピンときていない人が多いのではないかと思います。改正案では

一 次に掲げる一般道路 六十キロメートル毎時
 イ 高速自動車国道のうち、本線車道並びにこれに接する加速車線及び減速車線以外のもの
 ロ 自動車専用道路
 ハ 道路標識等による中央線又は車両通行帯が設けられている一般道路
 ニ 道路の構造上又は柵その他の内閣府令で定める工作物により自動車の通行が往復の方向別に分離されている一般道路
二 前号に掲げる一般道路以外の一般道路 三十キロメートル毎時

とされています。つまり、報道で「生活道路」とされているものは上記二に当たる中央分離帯や中央線・車線のない道路ということになり、幅員5.5m未満の道路がそれに該当するだろうということです。

しかしこれに該当する道路の全てで制限速度が30km/hになるということではありません。

今回変更される法定速度について、現在の法令では高速道路や牽引時の特例を除き、一律60km/hとされています。しかし実際には特に都市部ではほとんどの道路について最高速度が指定されており、道路交通法第二十二条にあるとおりその最高速度が優先されるため、法定速度がそのまま適用されているのは最高速度表示のない田舎道だけというのが実態ではないかと思います。特に、一般に生活道路と呼ばれるようなところでは30km/hないし40km/hに制限されていることがほとんどでしょうから、実質的には何も変わらないような気がします。逆に、制限する必要のないような見通しの良い田舎の一本道が30km/hに制限されてしまうというのはどうなのかとも思います。

ちなみにアメリカでは日本よりもメリハリのある速度制限がなされていて、私が住んでいたミシガン州では見通しの良い通りでは55MPH(約88km/h)、住宅地では35MPH(約56km/h)、学校周辺では25MPH(約40km/h)というような速度で制限されていました。住宅地でもニューヨークやシカゴなどの大都市を除けば道幅が広く見通しが良いので高めの制限ですが、子供を守る意識の強さからか学校周辺はしっかり減速することが必要で、警察による取り締まりもかなり厳しく行われていました。また、学校周辺での速度違反は罰金が2倍になるなどのペナルティもあるため、皆明らかに減速していました。

ということで、細い路地をむやみに飛ばす阿呆もいるので理念としては良いことだと思うのですが、現実としてその理念に沿って運用されていくのかどうかはしばらく様子を見てみないと何とも言えないように思います。まあ言いたいことがあるなら募集に従って意見を出してみろ、と言われればそのとおりかもしれません。