「Web 2.0時代のソーシャルブラウザ」を謳う、Mozilla Firefoxベースの新しいウェブブラウザ、Flock開発者向けプレビューリリースが公開され話題になっています。Windows/Mac OS X/Linux版のバイナリパッケージが用意されています。

「”Web 2.0″って何なの?」というところですが、はっきりした定義があるわけではないようで、ある人は「1.0は昨日のウェブ、1.5は今日のウェブ、2.0は明日のウェブ」といううまい表現をしていました。Wikipediaによれば、1.0は当初の静的なウェブ、1.5ではDHTMLなどにより動的になり、変化するデータベースから逐次生成されるようになったもので、2.0になるとユーザ間のネットワーク効果によってより動的になったもの、というような感じのようです。

このFlockでは各種ソーシャルツールとの連携が充実しているようで、ブックマーク共有サービスのdel.icio.us、写真共有サービスのFlickr、何種類かのブログサービスに対応してこれらとのインタフェースをうまく隠しているようです。これらのサービスを利用している人にとっては便利なブラウザなのかもしれませんが、逆にいうとあまりこれらを利用していない人には特にメリットがないとも言えます。

今のところはバージョン0.5であり、初めて一般に公開されたということのようなので、当然ながら完成度を望むことはできませんが、機能的にも物足りない感じがあって私自身はさほど新しさを感じることができなかったため、インストールしてはみたものの使い込むには至りませんでした。

私自身は、各種サービスとのインタフェースをブラウザ側に組み込んでしまうという方向よりも、サービス側がある程度標準化されたインタフェースを持っていて、それに対するスタブをプラグイン的にブラウザに追加していくという方がいいのではないかと思っています。そうでないと新しいサービスの参入が難しくなってしまうのではないかということもあり、その点でもFirefoxのExtensionというのはいい線なのではないでしょうか。Flockの場合はあとからExtensionを組み込まなくても最初から対応している、というのが一般の人には便利なのかもしれませんが…なお、FlockでもFirefoxのExtensionを使うことができるようです。

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