WindowsやLinuxが動作しているPC上に仮想PCを作成し、その上で各種OSを実行できるVMwareというソフトウェアがありますが、その機能を限定して予め作成された仮想マシン(Virtual Machine = VM)を実行することができるVMware Playerというソフトウェアのベータ版が無償で公開されています。ベータ版とは言ってもVMware自体はかなり以前から実績のあるソフトウェアなので、無償公開のための口実のようなものでしかないかもしれず、ダウンロードサイトでも”What are you waiting for? Get VMware Player Beta now!”などと言っているので実使用にも全く問題ないレベルの完成度なのではないでしょうか。
予め作成されたVM、ということで誰かがVMを作成してくれないことには使ってみることもできないのですが、VMwareのウェブサイトでもVMware Technology NetworkというところでいくつかのVMをダウンロードすることができるようになっています。その中にはSuSEやRed HatのLinuxのほか、IBM、MySQL、Oracleのデータベース、Browser Applianceなども含まれており、単なるOSのエミュレーション動作環境としてだけでなく、アプリケーションの評価環境として、あるいはPC本体をスパイウェアやウィルスなどから守るセキュアな実行環境としての使途もあるということがわかります。
私はこれまであまり必要性を感じていなかったので、その存在を知っていても使ってみようとはしていなかったのですが、先日のMINIX 3がVMwareのVMでも公開されているということで、ちょっと動かしてみるのも面白いかもしれない、ということでインストールしてみました。
Windowsへのインストールは普通にインストーラを実行し、完了後にOSの再起動が必要になるくらいの簡単なものです。VMの起動もVMのファイルをダブルクリックするなり、先に起動したVMwareから開くなりするだけで、拍子抜けしてしまうくらいです。VMが動作している状態でVMwareを終了したときにサスペンド状態として次回起動時に継続するか、あるいは電源オフ状態とするのかをオプションで選択することができ、前者にしておけば使いたいときに簡単に使うことができます。使ってみたのがMINIXという超軽量OSのVMなので、VM上のパフォーマンスがどの程度のものなのかはわかりませんでしたが、CPU自体をエミュレーションしているわけではないのでそこそこ実用的な速度で利用できるというような評判です。
誰かがVMware Workstationを持っていてVMを作成すれば、そのVMをPlayerで動作させれば一本分のVMwareにかかるコストだけで済んでしまいますので、業務でVMwareを利用しているような企業にとっては朗報かもしれません。また、オープンソースのOSなどの開発でもVMの形で評価用のリリースを行えば、評価する人はPlayerで動作させることができるのでアマチュアの開発にも有用なのではないでしょうか。
やはり私自身には今のところあまり使い道がなさそうなのですが、今後VMでのソフトウェアの配布というものがチラホラと出てくるようになれば役に立つことになるのかもしれませんので、その日を楽しみにしていたいと思います。