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旧友の訃報

早すぎます…
🙏

つい先日、Facebookのニュースフィードを見ていると、学生時代の友人の名前で投稿があったのですが、それは奥様から本人が突然亡くなったことを知らせるためのものでした。朝食後に寝室に戻った数分後に倒れていたとのことで、全く何の兆候もないまま、そのまま帰らぬ人となったとのことです。奥様自身、大変なショックであることは疑いようもなく、それでも気丈にお知らせくださったことに感謝するとともに、ご自身をも労っていただきたいと思います。

彼とは学生時代にテニスサークルの同期として知り合いました。私もそうですが彼も決してスポーツマンタイプとは言えず、テニスが上手かったわけではありませんが、サークルの活動には積極的に参加し、私と違って後輩らからの人望も厚かったようです。実年齢も私の一つ上ではありましたが、それ以上に落ち着いていて大人っぽい人でした。私の若気の至りで、彼には経済的損失を伴う多大な迷惑を掛けてしまったことがあるのですが、それでも彼は私を責めることなく許してくれました。いつかその埋め合わせをしたいと思っていたのももう叶わないというのは無念です。

当時もあくまで同期の一人であって特別親しかったというわけでもなく、卒業後は特に疎遠になってしまっていたのですが、数年前にFacebook上で再会を果たし、特別なやり取りはありませんでしたがニュースフィードで互いの近況を知るというような状況でした。そこから知るに常に仕事に真剣に向き合うがゆえに自分を犠牲にするような面があり、働き過ぎが気になっていたところでこのような報せを聞くに至ってしまったのが残念でなりません。

彼は知り合ったときからすでに塾講師のアルバイトをしていて、むしろそちらが本業なのではないかと思うほど週にいくつもの講座を抱えていたようなのですが、卒業後はMBAを取得したあとで本職の塾講師の職に就いたと知り、さすがと思ったものです。彼の弁によれば「MBA持ちの受験屋」として、経営的視点を持って受験生を一流大学へと導くために真剣に向き合っていたようで、彼を恩師として仰ぐ元受験生も大勢いるようです。そういう子らが卒業して活躍するさまを知るのが彼にとって至上の幸せだったのではないでしょうか。

この週明けに葬儀が執り行われることになっていますが、遠方でもあり参列がかなわないため、彼を想ってこうして駄文をしたためて追悼の意を示したいと思います。安らかに。

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いとぢゅん

白ユリ目映い光を放ちつつ燃え尽きてしまったのか…

私の古い友人の一人が亡くなったそうです。私はDan Kogai氏のブログで今朝初めて知りましたが、今は/.jpのトピック2chのスレにもなっています。詳細はあまり語られず不明ですが、37歳という若さでの死はあまりに早すぎます。

彼は最近までIIJに研究員として勤務していたようなのですが、WIDEプロジェクトに参加しKAMEプロジェクトの中心人物としてIPv6の普及に向けて尽力していたことと、一時期NetBSDのコアメンバーであったということもあり、世界中のハッカー達にitojunとして知られる存在でした。日本のハッカーと言えば必ず名が挙げられたのではないでしょうか。

当時既に「いとぢゅん」と呼ばれていた彼と知り合ったのは高校2年の時だったと思います。当時のクラスの友人らと同じクラブに所属していたということから一緒に連むようになったのですが、当時から彼はハッカーでした。私もパソコン少年だったのでプログラムを書いたりしてはいましたが、彼に比べれば私のやっていることなどほんのお遊びに過ぎませんでした。しかしながら彼がオタクっぽさを全く感じさせず、明るく皆に好かれる存在だったのは育ちの良さもあったのでしょうか。

大学でも同じ学部に進み、計算機系の研究室に入ったということもあって、似たような道を進んでいたかのようでしたが、のらりくらりとやっていた私とは違いました。当時も自宅に数台のSUNのワークステーションを持っていて、そんなもので一体どうやって遊ぶのかなどと思った記憶がありますが、その後大学院を出てからはIIJで研究者の道に進んだということのようで、遊ぶといってもそれは私には想像もつかなかった研究というレベルのものだったのでしょう。

就職後は私が地方へ移動したということもあって全く疎遠なままだったのですが、10年ほど前のある日、当時まだ勢いのあったInternet Magazineを立ち読みしているとその見開き2ページまるまる彼が取り上げられているのを見て驚きました。それはそのまま買って帰りましたが、私にとってはある程度身近な存在だった彼がそこまでインターネットの世界では大きな存在になっているとは思わなかったのです。その後もネット上のいろいろなところで彼の名を目にすることがありましたが、当時日本語化されていなかったOrkutで見付けたときに英語でメールを送りつけたところ日本語で返事をもらったのにそれっきり、という申し訳ないことをしていたのを思い出しました。それも今となっては取り返しのつかないことです。

すっかり疎遠だった私でさえ、今朝このことを知ってから何とも言えない空虚な感じがして、職場でも仕事が手に付かないような状態でした。考えてみれば私の直接の友人・知人の訃報というのはこれが初めてのことで、これまで人の死というのは老いた親戚のもの以外はニュースや物語の中のものでしかなかったのでした。これはこれまでが幸運だったというだけで、今後は歳を取るにつれ次第にこうしたことも増えてきてしまうのでしょうか。

それにしても、彼を失なったことは私を含む友人・知人だけでなく、インターネットやコンピューティングに関わる全ての人にとっての大きな損失です。今私が彼のためにできることはほとんどありませんが、せめて彼が安らかに眠ることができるよう、祈りたいと思います。

「稀代のハッカー、いとぢゅんに栄光あれ。」