Goal!2006年もとうとう残すところ2日となり、今年を振り返る時期に来てしまいました。個人的なところでは、私自身はかつてないほど映画を観たという以外にはあまり変わり映えのない年だったような気がしますが、子供たちは着実に成長して長男は小学校に、次男も幼稚園に入るというそれなりに大きな変化のある年でした。まあ何より、特に不幸に見舞われることもなく、皆健康に新年を迎えられそうなのが嬉しいことですが、残る2日も気を抜かずに過ごし気持ちよく元日を迎えられるようにしたいものです。

さて、いきなり締めの言葉のようになってしまいましたが、今日の本題はこれからです。

世間的にも色々なことがあった2006年という年ですが、サッカーのFIFAワールドカップがドイツで行われた年でもありました。日本ではオリンピックの方が大きな扱いになっているように思いますが、世界的に見るとテレビ観戦などもワールドカップの方が人気が高いということで、単一競技の大会であるにも関わらず総合的に行われるオリンピックをしのいでしまうというのは凄いことではないでしょうか。

このワールドカップの開催と前後して、サッカーを題材にした「GOAL!」という映画が公開されていました。当初私は単にワールドカップの人気に便乗しようとしただけの作品だろうと決めつけて全く見たいとは思わなかったのですが、その割に予告を観ているとなかなかドラマチックに仕上がっているように見えますし、観たという人の評判も悪くないようでした。となると先入観だけで面白い映画を見逃したくはありませんし、もしも面白ければそれはそれで儲けものだと思い、私も観てみることにしました。

GOAL! STEP1 イングランド・プレミアリーグの誓い スタンダード・エディション
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メキシコの貧しい暮らしを逃れるために不法入国してロサンゼルスで暮らし、地元のサッカーチームで活躍する青年が偶然イングランド・プレミアリーグのチーム関係者の目に留まり、いくつかの困難を乗り越えてチャンスをものにする、という典型的なサクセスストーリーで単純な話なのですが、テンポがいいので私ものめり込むように観てしまいました。サッカーに関しては私は小学生の時に一時サッカーチームに所属していたくらいで、今は特に熱心に観ているというわけではないのですが十分楽しめましたから、ファンでなければ楽しめないというような映画ではないと思います。もちろんサッカー好きにはたまらない、というのは間違いありませんが、ルールを知らなければ解らないというようなところは一切ありませんでした。

ワールドカップの年に公開されるサッカーの映画ということもあってか、サッカーについてはかなり力が入っています。主人公が入団することになるのはプレミアリーグに所属する実在のクラブNewcastle United F.C.であり、クラブの全面的な協力を得て撮影が行われているようです。作品中ではクラブはリーグ優勝することになっているのですから、クラブとしても悪い気はしないというところでしょうか。また、David BeckhamZinedine ZidaneRaúlといった超一流スター選手らが本人役で出演するというのも見所の一つでしょうか。

主役のSantiago Muñezを演じるのはKuno Beckerという無名の俳優ですが、なかなかの好演ではないでしょうか。若干スポーツ選手の持つべき迫力に欠けるような気もしないではありませんが、それが逆に役にあっているのかもしれません。ヒロインのRoz Harmison役はAnna Frielというとてもきれいな女優さんでしたが、私もこんなきれいな看護婦さんに診てもらえたら…などと妄想してしまいます。

舞台はイギリスであり、サッカーの母国といわれる国での人気ぶりも描かれているわけですが、”soccer”では通じずに”football”と言い直す、というのは私も「うんうん」と頷いてしまうエピソードですが、これは常識でしょうか。”soccer”というのはassociation footballを略したものですが、これはアメリカ英語なのでイギリス人は使わない言葉なのですよね。アメリカでは”football”と言えば”American football”のことなので仕方がないわけですが、日本にはサッカーもアメリカ経由で伝わってきてしまったためかと思ったのにイギリス人からだったというのは意外でした。まあ、sewing machineを略して「ミシン」というような他のとんでもない略語にならなかったのはまだ幸いかもしれませんが…

この作品は実は最近流行りの3部作の1作目らしく、2作目の撮影は先のワールドカップの大会中にも行われたということです。ということは今度はSantiagoもワールドカップに出場することになるのか、となると3作目は一体どうなるのかと気になるところです。この作品が思いの外面白かったので私も続編がとても楽しみになってしまいました。タイミングにもよりますが、きっと大スクリーンの方がスタジアムの臨場感を味わうにはふさわしいでしょうから、同時期に競合する作品がなければ続編は劇場でも観ることになるかもしれません。要するに、それだけ面白かったということです。もともと今年の秋の公開を予定していたものが来年初夏にずれ込んだようですが、私のような人もいるので逆に良かったかもしれませんね。