尾所の桜昨日は家族でつやま自然のふしぎ館に行ってきたわけですが、せっかく津山まで行ってそれだけで帰って来るというのももったいないので、他に行くところはないかということで事前に見当を付けていたのが津山市北部、旧阿波村にある「尾所の桜」というものでした。小雨交じりのあいにくの天気だったのですが、ちょうど自然のふしぎ館を出る頃にはポツリポツリという、止むか止まないかという程度にまで小降りになっていたので見に行ってみることにしました。

一応津山市の中なのでそんなに遠くもないだろうと思っていたのですが、カーナビの案内に従って進んでみるとあれよあれよという間に山の中に入ってしまい半信半疑なままに進んでいきました。旧阿波村に入り現地に近付くと案内の立て看板が控えめに立っているのでホッとしましたが、結局たどり着いたところは車がやっとすれ違えるほどの細い道路で、そのすぐ脇に立派な木が満開の花を付けてどっしりと立っていました。その近くの路上には数台の車が停まっており、カメラを持った人が何人かいるのでこの木が目指す桜の木に間違いありません。

尾所の桜というのは樹齢560年にもなるというヤマザクラの巨木ですが、この地域は標高がちょっと高くなっていることもあって桜の見頃もちょっとずれており、ちょうどこの週末が満開という絶好の機会だったようです。この木に至るまでの道中もあちらこちらに綺麗な花をいっぱいに湛えた桜が立っていて、周囲の静けさもあってなかなか雰囲気のいいものでした。しかしこの尾所の桜はそれらとは一線を画す、威圧感さえある堂々とした風格のある木で、他には何もないところですがこれだけでも十分見応えがありました。

私は例によってここで写真をパシャパシャと撮りながら歩き回っていたのですが、その間家族はというと近くの田んぼの周りに生えた土筆を取って遊んでいました。ちょうど先日長男が「土筆を取りに行きたかった」と言っていたところだったので、思いがけず遅い春を楽しむことができたようで喜んでいました。この辺りに住んでいる方々は買い物をするにも不便でしょうし、娯楽もないことですしどんどん過疎化が進んでしまっているのでしょうが、街中に住むものにとっては羨ましいような生活です。まあ、今さらインターネットに繋がらない生活など考えられない私には到底暮らすことなどできず、数日も持たないような気がしますが…