先日のゴールデンウィークに台中に行った際、お土産に買ってきたものの一つが太陽餅です。台中銘菓とされるもので、前回台湾に行った時にも空港で老太陽堂という老舗のものを買ってきたのですが、粉っぽくボロボロと崩れて食べにくく、味もぼやけた感じがしたので私はあまり好きになれませんでした。しかし、妻は気に入ったようで、台中に行くなら買ってきて欲しいとリクエストがあったのでした。

せっかく本場に行くのだから、その中でも美味しいものを買おうと調べてみたところ、太陽餅はたくさんの店で売られているのですが、嘉味軒というお店がGoogle Mapsで4.6と非常に高評価なので、ここに行ってみることにしました。このお店は地元の銘菓店といった雰囲気で、太陽餅以外にも何種類かのお菓子を売っていましたが、台湾のお菓子屋独特のお菓子の箱がうず高く積まれた店内に、気のいいおじさんおばさんが店番をしていました。お二人とも日本語も英語も通じませんでしたが、なんとか片言の中国語と身振り手振りで鮮奶太陽餅(太陽餅)と鳳梨酥(パイナップルケーキ)を一箱ずつ買うことができました。おまけに太陽餅とパイナップルケーキを1つずつ付けてくれたのはちょっと嬉しい気遣いです。

帰国してから私も太陽餅を食べてみたのですが、その前に箱から取り出して手に持ってびっくりしたのが、一つ一つがずっしりと重いことでした。そして開封してみると生地の部分が以前食べたものとは大きく違っていて、この嘉味軒のものはパイに近く薄い生地が何枚も重なったようなものになっていて、食べてみてもパイのようにバター風味が効いていると感じました。中の餡はたっぷりと詰まっていますが、商品名の「鮮奶太陽餅」の「鮮奶」とはフレッシュミルクのことで、そのミルクの効いたクリーミーな洋風の味わいの餡となっていて、同じく洋風のパイのような生地とよく合ってとても美味しかったです。はっきり言って老太陽堂のものとはまったく別物でした。なお、餡のミルクか生地のバターのためか、賞味期限は常温では2週間と短めです。

パイナップルケーキの方もバターの効いた生地の中にパイナップルの果肉を感じることができる餡が入っていて、これまで数々食べてきたパイナップルケーキの中でも上位に入る美味しさでした。となると鮮奶蛋黃酥などの他のお菓子も気になってしまい、また買いに行きたくなりますが、さすがに台中にはそうそう行けません。いつかまた台中に行くことがあればぜひまた嘉味軒に立ち寄って、その時には多少中国語も喋れるようになっていてスムーズに購入したいものです。