惜しまれる人となおも責められる人と…

今日も日本中では数多くの人が亡くなり、その周りにはそれを悲しむ人が数え切れないほどいることかと思いますが、昨日のニュースで報じられたのは2人の著名人の死で、それぞれ世間を大きく騒がせることとなりました。一人は音楽グループZARDのボーカリストである坂井泉水氏で、もう一人は現職農林水産大臣の松岡利勝氏です。

坂井氏の方は入院先の病院で避難用スロープから転落して後頭部を強打し、脳挫傷で亡くなったということです。昨年から子宮頸癌の治療のために入退院を繰り返していて、その癌が肺へも転移していたものの治療の経過は良好で、復帰を目指して準備を進めていた矢先ということのようでとても残念なことです。

ZARDといえば1990年代の代表的な人気グループの一つで、代表曲「揺れる想い」をはじめとする数多くのヒット曲を繰り出したので、当時は知らない人はほとんどいなかったのではないでしょうか。私自身はもともとほとんど邦楽は聴きませんし、どちらかといえばZARDは苦手な方だったので積極的に聴いたことはありませんが、それでも聞き覚えのある曲は何曲もありますし、坂井氏の澄んだ歌声は特徴的なのですぐにわかります。またマスメディアへの露出の少ないグループでしたが、レースクイーン出身らしく綺麗な人でした。

一方、松岡氏の方は議員宿舎のドアに紐をかけて首を吊るという自殺でした。心肺停止状態で発見され、奇しくも坂井氏が亡くなったのと同じ病院に搬送されたということですが、その時点で既に死亡は確実だったらしく救急車のサイレンは鳴らされていなかったという話もあるようです。

松岡氏の巻き起こしたいくつもの問題は連日新聞紙上などを賑わせていたようですが、スキャンダルの類にはまるで興味を持てない私の目には全く入っていなかったので、今の時点でもどういう問題があったのかを完全に把握できていないような状態です。しかし、国会内外での厳しい追及を受け、逃げ場がなくなったと判断して死を選んでしまったということのようだとは理解することができました。こういう自殺というのは完全な敗北宣言のようであり、死んで責任を取ったつもりなのかもしれませんが、残った人々のことは考えられていないという点でかなり無責任な逃げではないかと思います。今朝の朝日新聞などでは亡くなった人に対して容赦なく攻撃を浴びせ続けているようでしたが、その矛先は安倍首相の方へと移っていくことになるのでしょうか。

それにしても、死に至るまでのいきさつによってその後の扱いがこうも変わってしまうというのは恐ろしいものです。私は自分が死んだあとで周りが悲しむのは望まず笑顔で振り返ってもらいたいと思っているのですが、それが無理でもせめて「清々した」などとだけは言われないような生き様でいたいものです。今はまだそれも不安ですが…