Who is Salt?あまりあからさまなシリーズ化狙いはいただけません。

観たい映画というのはどういうわけか時期的に集中してしまうもので、先週「トイ・ストーリー3」を観てきたばかりにも関わらず、またいくつか観たい作品があって困ってしまいます。その一つはブログ等で見る限り評判の高い、Leonard DiCaprio主演で渡辺謙も出演している「インセプション」です。この作品は独特の世界を楽しむことができそうなのですが、ちょっと頭を使わなければいけないような気がします。しかしどうも昨日から頭痛がしていて、あまり考えないで済むものの方がいいのではないかと思ってしまい、結局観ることにしたのは観たいと思っていたもののもう一つ、Angelina Jolie主演の「ソルト」です。

普段はレイトショーで映画を観ている私ですが、そうでないときに観るのは家族と一緒の時と、毎月1日の映画の日、そしてスタンプカードが貯まって無料で観られる時のいずれかです。そして今日はこの「ソルト」の公開初日だったのですが、ちょうどいっぱいになったスタンプカードがあったので、朝一番の初回に観ることにしました。すると、いつも観る時はまばらな客席も初日初回というだけにさすがにほぼ満席、私が窓口に行った時には既に最前列と2列目しか空いていませんでした。2列目ではかなり見辛いし、首も疲れてしまいそうなので諦めようかとも思ったのですが、わざわざ来たんだしということで2列目で観ることにしました。
Evelyn Salt
さて、この作品はロシアからの二重スパイの汚名を着せられたのか、実際にそうなのかよくわからないAngelina Jolie演じるCIAエージェントのEvelyn Saltが、ONCIX(国家防諜局?)らに追われながら真相を追究する…というようなアクションスリラーです。ただ、単にスクリーンが見辛くて集中できなかったせいなのか私自身もよくわからないところがあり、実際のところ二重スパイなのかどうなのか、またどちらにしても腑に落ちないところもあり、何ともすっきりしない映画でした。もしもこれが続編を作るためにあえて謎を謎のまま残しておこうという意図があってのものだったのだとすると、ちょっと許せないような気もします。

Angelinaのアクション自体は、特に序盤は「これぞスパイ映画」というような独創的な場面もあって楽しめるものでした。しかしどんな凄腕のエージェントだったとしても、まんまと逃げられてしまうようなCIAの拠点というのもどうなのかなという気がしてしまいますが、まあちゃんと逃さないことには話が始まらないのでそこは良しとしましょう。

しかし結局のところ、Angelina一人の力で引っ張っているような気がしてしまうのですよね。それだけ強烈な個性の持ち主なので、どうしても彼女一人が際立ってしまうのは仕方ないのでしょうが、彼女の個性に負けないだけの練りこまれたストーリーであるとか、あっと驚くような仕掛けがあると嬉しいところです。まあまあ面白かったのではないかと思いますが、ずば抜けた何かがあるような作品ではありませんでした。

そういえばEvelynを追うONCIXの捜査官Peabodyの顔を最近よく見るような気がすると思ったら、演じているChiwetel Ejioforは「2012」はともかく「トゥモロー・ワールド」や「インサイド・マン」という個人的に印象的だった作品に出ている人だったのですね。コンスタントに良い仕事をしているようですから、今後の活躍も期待できるのではないでしょうか。