Harry Potter and the Deathly Hallows Part 1みんなすっかり大きくなってしまいました。

全7巻という壮大なストーリーの映画化ということでついに7作目となってしまった映画「ハリー・ポッター」シリーズですが、最終巻は1作にまとめ切れないということで2部に分割されたため、最終作までまだ1作残っているということになりました。「まとめ切れない」などと言いながら、実際はまだ稼いでおきたいということなのではないかと邪推してしまいますが、それでもまだスクリーンでHarryHermioneに会えるというのは嬉しいことではあります。

ということで、ロードショーでは他にも観たい映画があってつい見逃してしまった「ハリー・ポッターと死の秘宝Part1」ですが、Blu-ray版を購入してようやく観ることができました。公開が昨年11月で、今年2月ごろまでは上映していたというのに、このシリーズはパッケージ化が非常に早いですね。色褪せないうちに売っておこうという戦略なのでしょうか。

始まってすぐに感じるのは画面が非常に暗いこと。シリーズ初期のほのぼのした雰囲気はどこかへ行ってしまい、陰鬱で深刻な状況になっていることを反映しての暗さなのでしょうが、自宅の明るい部屋のテレビで観ると暗転しているのかと思いきやかすかに何かが映っていたというような感じで、なんだかよく分からないシーンもありました。まあそれは一部のみで、全体的に暗いトーンではあっても全然見えないということはありません。
Harry & Hermione
前作の最後でDumbledoreが倒されてしまったことで強力な指導者を失ったHarryらの精神的な戦いでもある今作なので、主役の3人の演技力の進化が問われるシーンも数多く有ります。これまでのキャリアがこのシリーズにほぼ限られている彼らですが、さすがに第一作から足掛け10年に渡って経験を積んでいるだけのことはあり、まさに彼らこそが本人、演じているのだとは感じられません。しかし、やはり怪演が光るのはSeverus Snapeを演じるAlan Rickmanです。原作を読んでいてももはやこの人の姿しか想像できませんが、それも豊かな経験に裏打ちされたものなのでしょうね。

それにしてもシリーズの完結に10年も掛けてしまうというのはなかなか大層なものです。10年前といえば私もまだ30歳だったわけですが、Harryを演じるDaniel Radcliffeはまだ11歳だったわけですから、その間の成長ぶりを世界中の人々が見守ったということになります。物語自体が少年少女の7年間の成長も描いたものなので成長すること自体に問題はありませんが、Matthew Lewisが演じているNeville Longbottomなど、うっかりすると誰だか気づかないというような人もいます。そんな中でも最も成長目覚しいのはHermioneを演じるEmma Watsonでしょう。可愛らしい少女だったEmmaもすっかり大人の女性となり、こんなファミリー向けの作品の中でもハッとするような色気も見られるようになりました。こんなEmmaが演じるHermioneやその他登場人物の姿を見ることができるのも残り一作かと思うと、早く観たいような、まだ観たくないような複雑な気持ちになります。

まあしかし、この作品はあくまでシリーズの一部でしかなくて、この7作目だけを観て面白いかといえばそれほどでもないでしょう。原作1巻を2部に別けたとはいっても、いつものことながら原作の内容を忠実に盛り込むには時間が足りないのでどうしても説明不足なところがありますし、過去6作での経緯を知らないと何のことやらというようなものも多々あるかと思います。今回私は前作「ハリー・ポッターと謎のプリンス」を観て予習してから本作に臨みましたが、本当は原作の方も読んでからにすればより良かったかもしれないと思っています。それにしても2部に分けても2時間半もの上映時間になってしまい、かつ退屈することなく観られてしまうとは何という内容の濃さなのかと改めて感じてしまうところです。