ただの運び屋にしておくにはもったいない。
劇場では売れる作品を選ぶため、日本でいわゆる洋画を観るというとどうしてもハリウッドの大作中心になってしまうものですが、もちろんハリウッドものばかりが洋画ではありません。インド映画などでは極端になってしまい、もはや「洋画」の括りには入らないかもしれませんが、イギリスやフランスの作品なら英語で製作されているものも多いため違和感なく観ることができ、また独特の味わいがあったりもするものです。
さて、そんなフランス映画界の有力者の一人、Luc Bessonといえば「ニキータ」「レオン」といった作品で有名ですが、実は私はこれらの作品をまだまともに観ておらず、近いうちに観なければと思っているところです。「フィフス・エレメント」も彼の作品の一つですが、これは独特の世界観とスピード感のある映像が魅力的だったと思います。また、プロデューサーとしても活躍しており、「TAXi」シリーズが有名なところかと思いますが、これと並んでヒットした「トランスポーター」シリーズをしばらく前にBS2で放送していたのを録画していました。楽しみにしていたのにそれからもう何ヶ月も経ってしまったのですが、ようやく観ることができました。
この作品の主人公はJason Statham演じるFrank Martin、黒のBMW 735iでなんでも運ぶプロの運び屋です。彼の仕事には
- “The deal is the deal” – 契約厳守
- “No names” – 名前不要
- “Never open the package” – 開封厳禁
- “Never make a promise you can’t keep” – 守れない約束はしない
という4つのルールがあり、これを守らなければ失敗の危険があるとして仕事を引き受けません。しかし、ある仕事を受けた際に不審を抱いた積荷を開けてしまったことからトラブルに巻き込まれ、命を狙われることになってしまう、というような話になります。
この作品の見所はまず何と言っても超絶テクニックで魅せるカーチェイスシーンでしょう。相当非現実的なところも多々ありますが、スピード感と迫力は最高です。特に舞台となっているのが南仏ニースなので、狭い石畳の路地を高速で走り抜けるところはかなりスリリングです。これはテレビニュースでも度々カーチェイスが報じられるアメリカでもなかなか見られないものではないでしょうか。
もうひとつの見所は特殊部隊出身というFrankが追っ手をバッタバッタと倒していく格闘シーンでしょう。追っ手がなぜ銃を使わないのか不思議なところもありますが、頭も使ったFrankの賢い戦いぶりはその辺の筋肉バカとはひと味違って面白いのではないでしょうか。いくら特殊部隊といってもここまで強いのは現実的ではありませんが…
ちなみにちょっとしたラブシーンもありましたが、ほんのちょっとで終わってしまったのはNHKにカットされてしまったからなのでしょうか。物語の展開上は特に必要とも思えないので構いませんが、もともとどうだったのかはちょっと気になります。まあ今回は長男と一緒に観ていたので気まずい雰囲気にもならずにすみ良かったのですが。