Transporter 2舞台が変わると雰囲気も変わる?

一作目が売れたから続編を作る、というのは2匹目のどじょうを狙うようであまり感じのいいものではありません。しかし、同じ路線で行けばそこそこのヒット、売れる要素をさらに盛り込めばさらなるヒットが望める、と思うと作らずにはいられないという気持ちもわからないではありません。そうして作った結果、今一つなものができてしまい、それを3作目で何とか挽回する、というケースが多いのではないかとなんとなく思います。

今日は先週の「トランスポーター」に引き続き、その続編の「トランスポーター2」を観たのですが、この作品も率直に言うと上記パターンにはまってしまっています。前作はロードショーではそれほどのヒットにはならなかったものの、DVDの売れ行きが良かったということで続編を作ることになったのだそうですが、ちょっと欲が出てしまったのでしょうか。まあそうは言っても、つまらなかったというわけではありません。

トランスポーター2 [DVD]
監督:ルイ・レテリエ
角川映画 (2009/06/19)
ISBN/ASIN:B0021ZMHOY

今回、主人公のFrankは住まいをアメリカのフロリダ州マイアミに移しています。相変わらず運転手の仕事をしてはいるものの、運んでいるのは小さな少年で、一時的なお抱え運転手となっているのです。しかし、危険な男は事件を呼んでしまうものなのか、こんな少年の送り迎えもただ無事には済まないのでした…というようなことで再び大事件に巻き込まれ、派手なカーチェイスと華麗なアクションを決めています。

今回の愛車はAudi A8に変わっていて、この車で相当なアクションをこなしているのに美しいボディにはホコリ一つ付かないのはご愛嬌でしょうか。カースタントも前作以上に派手になり、全くありえません。また今回は車だけでなく、陸海空を股にかけての大活躍となっており、ありえなさ加減はますますのものです。

また今作で変わっているのは敵役もです。前作では悪の親玉の他は雑魚ばかりで、格闘になるとFrankは完全に無敵だったのですが、今度はLolaという冷血な女殺し屋も登場して厳しい戦いを強いられます。このLolaを演じているのはKate Nautaというアメリカのファッションモデル出身の人なのですが、さすがに元モデルらしくプロポーションは抜群です。またこの人のコスチュームがなかなか強烈なのですが、役柄上魅力的ではないのですよね… まあ一種のサービスカットなのでしょうが、私にはちょっとキツいものがありました。

ということで何もかも派手になってしまったこの第2作ですが、ヨーロッパものらしさが失われてしまったのが残念に感じるのは私だけでしょうか。ハリウッド的なアクション映画はハリウッドに任せておいて、ヨーロッパではヨーロッパらしい味のあるものを作って楽しませてもらいたいところです。決して面白くなかったわけではないのですが…