Fantastic Four: Miles Teller as Reed Richardsうまくいかない場合もあるようです。

他の映画の時に予告で見て「あれ? またやるの?」という感じだったのが「ファンタスティック・フォー」でした。というのは、このシリーズではすでに2つ作られていますが、番号やサブタイトルが付いていませんし、予告の内容を見ても1作目の「ファンタスティック・フォー[超能力ユニット]」とだいぶ似ていたからです。結局調べてみるといわゆるリブート、焼き直しであることが分かりました。これまでシリーズが進んでいたのにわずか10年前の作品をどうして作りなおさなければならなかったのか分かりませんが、新しいキャスト、スタッフで仕切り直しということのようです。

予告を見た時点では「まあMarvelだし観るか」という感じだったのですが、いざ公開となるとRotten TomatoesTomatometerが8%というなかなかない低さで怯んでしまいました。しかし、それならそれでどんなにダメなのか、自分の審美眼(?)を試すためにも結局観てみることにしたのでした。
Fantastic Four: Thing
前シリーズではFantastic Fourのメンバーは宇宙での実験で宇宙線を浴びて超能力を得たことになっていましたが、今回はそれが平行世界へ行って不思議な現象にあって影響を受ける、という一層よくわからないことになってしまいました。しかしそこに至るまでの過程は妙に丁寧に描かれていて、Mr. FantasticとなるReed RichardsとThingことBen Grimmの少年時代から物語が始まりました。

これは私は悪くないと思いました。ヒーローたちに感情移入するためにはこうした背景を丁寧に描くことも重要です。しかしどうしても説明的になってしまうので、ドラマチックな展開、スリルや感動を求める人にとっては退屈に感じてしまうのでしょう。なんだかよくわからないけれど凄そうな装置を作って、それにでたらめながらもっともらしい説明をつけられると私はわけもなくワクワクしてしまいますが、そういう人は多くないのかもしれません。

本作の評判や興行成績からすると続編の制作は難しいようにも思えますが、明らかに次に繋がるストーリー、というよりこれから始まるという感じなので、スタッフを一新して2作目に賭けるということになるのかもしれません。ちなみにこの「ファンタスティック・フォー」は20世紀フォックスが映画化権を持っているのでディズニーが権利を持つ他の作品との連携ができないというのも辛いところでしょうね。