トクラス思った以上に大変でした。

私の自宅は16年前に購入したマンションの一室なのですが、その時点ですでに築10年以上経過していました。そのため、入居時には壁を移動したり和室を洋室に改装したりと結構思い切ってリフォームしたのですが、前の持ち主はお金持ちで別荘のように利用していたようなのでほとんど使われていなかったキッチンは、またしばらく使ってからリフォームしようということにしていました。そして10年ちょっと経ってそろそろまたリフォームしないといけないなあという頃にアメリカに赴任することになり、その間賃貸に出すことだし帰国したらやろう、ということにしていたのでした。

帰国前の一時帰国の際には近所のリフォーム業者に相談にも行ってみたのですが、同じマンションでの施工経験もあるらしく状況はわかっていて、スムーズには進みそうでした。しかし、どうも安さばかりを強調されて、全く新しい提案がないのが私には不満でした。せっかくそれなりの金額をかける覚悟でいるのですから、ただ新しいものに置き換わるだけで他に何も変わらないのでは嬉しさがありません。そこで妻と相談して、他の業者を探してみることにしましたが、基本的には各業者が契約しているキッチンメーカーで施工するということのようなので、まずはどのメーカーのものが良いかを決め、それから近くの施工業者を探すということにしました。

今回私は意見を求められた時に口を出すだけで、選択権は妻に一任することにしていたのですが、妻がインターネット上の評判などから選んだのはヤマハからスピンアウトしたトクラスでした。ヤマハのシステムキッチンというのはあまりピンとこない人もいると思いますが、継ぎ目のない人工大理石のカウンタートップが一番の売りとなっていて、熱や衝撃に強く、傷がついても研磨すれば良いので長く使えるということのようです。

このトクラスを扱っている業者を調べて絞りこみ、10月の上旬頃から相談に行き、年内には工事を終わらせたいと伝えて詳細を詰めていきました。勧められたのはベリーというシリーズですが、カウンターやシンクの色、パネルの色や材質などかなりのバリエーションがあってそれを決めるのにはかなり時間がかかりました。肝心のキッチンの構成としては、これまでのL字型からシンクやコンロをI字型にまとめ、後ろに平行してI字型のカウンターを設けるという提案をいただいて、それを採用することにしました。L字型というのはコーナー部分にどうしてもデッドスペースが出来てしまうので、限られたスペースを広々と使うには「=型」というのは良さそうです。

結局私達の決断に時間がかかったのと、年末の繁忙のせいで工事は年明け1月に入ってからということになりました。1週間ちょっとの工事の間、毎日現場監督が常駐するので自由に出掛けて構わないというのは良かったのですが、キッチンが使えないというのは仕方ありません。必然的にその間の食事はほとんど買ってきたものか外食ということになってしまいましたが、それは思いの外ストレスになるもので、キッチンの有り難みを痛感することになりました。

そうして出来上がったキッチンは以前よりも明るく広々としたものになり、人工大理石のすべすべした肌触りも良く、引き出し型の収納は使いやすく、換気扇が静かで能力の高いものになったのも嬉しい点です。またコーヒーミルなどもすっきりとカウンターに並べることができるようになって妻はもとより私も満足しています。以前置いていた食器棚はアメリカに行く時に処分してしまい、食器もシステムキッチンに入れることにしたので収納自体は減っているのですが、実際に使用するのは限られたものなので食器も減らしてしまおうということでこのようにしました。結果的にそれでも特に問題はなく、なんとかなっているようです。

水回りの工事には金がかかるとは言われていますが、結局トータルでは一番安いMINIが買えるくらいの金額になってしまいました。しかし満足度は非常に高いものですし、車よりも頻繁に、長く使うものなので納得できる範囲でしょう。使い勝手の良いキッチンで美味しい食事を気持ちよく作ってもらえたら、それだけの価値はあると思います。