やっぱり無理している感じは否めない。
今年の夏も土用の丑の日が近づいてきて、スーパーやコンビニでもウナギの売出しが盛んになってきました。しかし、ちょっと前にも「『ウナギは食べていいのか』って?」という記事を書きましたが、ウナギというのは絶滅危惧種に指定されており、このまま今までどおりに食べ続けていると絶滅してしまい、食べたいと思っても食べられないということになってしまう可能性があります。
最近はTwitterのウナギ絶滅キャンペーンというアカウントがちょっと話題になっています。真に受けて噛み付いている人もいるようですが、これはもちろん皮肉で、プロフィールで「絶滅危惧IB類(絶滅する危険性が高い絶滅危惧種)を食べ尽くそうとする現代日本を見つめる。」と言っているとおり、反語的にウナギを守ろうとしているわけです。このやり方が上手いのは、槍玉に挙げられた企業も「絶滅に向けて応援ありがとうございます」と言われるだけなので文句を言うこともできず、しかし周囲の人には絶滅推進企業であるということがわかってしまうという点です。
なお、ウナギも完全養殖ができるようになったので食べても問題ないと思いこんでいる人もいるようですが、それはあくまで実験レベルの話であって、商業化に向けてはまだ高いハードルがあるはずです。水産庁は2020年頃の商業化を目指しているそうですが、今までどおりに消費し続けていたらそれまでの間に取り返しのつかない状況になってしまう可能性もないとは言えないのではないでしょうか。
それでもうなぎ(のようなもの)を食べたいという人の一つの選択肢として、一正蒲鉾のうな次郎という製品があります。
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これは魚のすり身でできたうなぎの蒲焼風の食品なのですが、見た目はウナギの皮の方もうまく再現されています。しかし残念ながらあくまですり身なので、箸でつまんでもポロポロと崩れてしまうというのが難点です。また、実はうなぎエキスも使われているらしく、うなぎの犠牲がゼロでないという点も残念です。
しかしそれよりも、問題なのは食べてみた感じです。缶詰でイワシやサンマの蒲焼きが売られていますが、あちらの方が美味しいのではないでしょうか。というより私はあれが割と好物で、ウナギよりも好きとまでは言いませんが、十分美味しいと思います。どうも我慢して鰻風のものを食べているという感じになってしまい、無理している感じがよくありません。そこまでして鰻風のものを食べたいか、というとそうではないでしょう。
ということで、今のままではおそらく私が買うことはもうないでしょうが、さらに技術が進歩して食感までもっと近づけることができればまだわかりません。完全養殖の商業化に成功するのが早いか、うな次郎の進化が早いか、果たしてどうなるでしょうか…