さっさと淘汰されてほしい。
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中国ではAlipay
Wechat Payなどのバーコード決済が普及していて現金を持ち歩く必要がない、というのは何年も前から言われていたことで、露店や個人間の授受にまで使えるというのは確かに便利なように見えます。日本の経済産業省はこれが羨ましく見えたのか、私には隣の芝生が青く見えただけなのではないかと思えますが、日本でも2020年の東京オリンピックまでにキャッシュレス決済を普及させようと、消費税増税と絡めて「キャッシュレス・消費者還元事業」なるものを始めました。

しかし、中国で普及したのには偽札が多く現金が信用できないという特殊な事情もあり、貨幣に対して絶対的な信頼を置くことができる日本にはこのようなモチベーションがありません。またすでにコンビニや交通機関、一部の自動販売機などではすでにFelicaによる電子マネーが普及しており、わざわざアプリを起動してバーコードを表示させなければならないようなものが広く使われるようになるとは思えません。また、オリンピックの観戦に来るような外国人に日本でしか使えないようなサービスに加入させるような必要はなく、単にクレジットカードを使えるようにすればいいだけではないでしょうか。

それはともかく、経産省からの補助金に釣られたのかどうかは知りませんが、あちこちからうようよと新しいサービスが乱立して消費者には余計に不便になっているのではないでしょうか。ソフトバンクPayPayはお得意のバラマキ作戦で登録者を集め、メルペイLINE Payがそれに追従するという形になっていますが、大手コンビニもそれぞれ独自のシステムを構築するなど、社会全体としては無駄なことこの上ありません。

そんな中で、セブン・イレブン・ジャパン7payはサービス開始直後にセキュリティ上の大きな問題が発覚し、その後の対応の不味さもあって消費者の信頼を失い、結局わずか1ヶ月後にサービス廃止を発表、開始からたったの3ヶ月で消えてしまうことになりました。同日スタートとなったファミリーマートファミペイに遅れを取らないように突貫工事となったツケなのでしょうが、サービス構築にかかった莫大な費用も含めて大きな損失となってしまいました。

しかし、このサービス廃止のニュースリリースによれば、被害者はのべ808人、総額3800万円以上に及ぶということです。会員登録を受け付けていたのはわずか3日、ログインを停止したのはその1週間後という短期間でこの被害です。小口の決済手段なので企業としてはそれほど大きな金額でなかったとしても、失ったものはそれだけではありません。今後は安全性を確保した新しいサービスにも意欲を見せているようですが、果たして消費者は受け入れてしまうものでしょうか。

なお、ホームセンターのコーナンまでコーナンPayなるものを始めていたようなのですが、不正ログインと見られる事案が発生したとのことでサービスが一時停止されており、現在はコーナンPayの公式ページが削除されているようです。しかし、こちらの方は「登録されていないメールアドレスを用いてログインを試みた際に自動送信されるメール」が不特定多数に届いている、というのがきっかけのようであり、実際に不正ログインされたというのもおそらく簡単なパスワードを設定していて破られてしまっただけなのかもしれません。二段階認証(2要素認証)が使われていなかったというような弱さはあったのかもしれませんが、7payのような問題があったというわけでは無さそうですし、金銭的被害も確認されていないようなので少々敏感に反応したということなのかもしれません。それくらいの方が安全だと思いますが、それ以前に通貨を取り扱うことに対してはもっと覚悟を持って臨む必要があるのではないでしょうか。