少年時代に野球を全くといっていいほどしなかったということもあって、私は普段テレビ等でも野球を観戦することはほとんどありません。特に高校野球は私の嫌いな「根性」の世界で、何かを無理矢理押しつけられているような気がして好きではありません。またその中でもセンバツと言われる春の大会はその選考基準が不透明に思えて全く興味がありませんでした。
しかし今年は違います。というのも私の母校が思いがけず出場することとなったためで、急に気になるようになってしまいました。特に甲子園のある兵庫県内に住んでいるということで、せっかくこんな近くにいるのに、一生に一度あるかないかのような出来事を目撃せずにはいられない、とさえ感じてしまいました。そこで一回戦の時は、試合当日に合わせて休暇を取り、万全の体制で臨もうとしていたのですが、残念ながら雨で順延となってしまい、虚しい休日を過ごすはめになってしまいました。しかし翌日、初戦敗退は免れないだろうという予想に反して勝ち進むことができ、これは神の思し召しかと今日の二回戦はぜひ観なければということで、「事情により」昼で退社して家族で甲子園に行ってきました。
本当はアルプススタンドで学校関係者と一体になって応援したかったのですが、学校からバスで来た人しか入ることができないとかいうことで、残念ながら外野席での観戦となりました。しかし、アルプススタンドとの距離は若干あるものの、外野席は無料で入ることができるため、そう悪くはないかな、という感じです。やはりホームからの距離が遠く、目の悪い私には打球を追うには支障がありましたが、ゲーム自体を見るというよりは応援に行ったというところなので我慢することにしました。
試合の方は打撃戦となった一回戦とは異なり、あまり快音の響かない渋い展開でしたが、大味な乱打戦よりも緊張感があって良いものでした。相手投手の速球に押され気味で何となく1,2回は分の悪いような雰囲気がありましたが、先制点を取った後、一度は追い付かれたものの、それから引き離すことができ、結果的に一度もリードされることなく勝利を獲得することができたため、応援する側としても非常に気持ちのいい試合でした。もし負けてしまっていたとしたら、全く違う気分で帰ってこなければならなかったのでしょう。その足取りの重さは想像したくもありません。
さすがに2歳の次男の方は3回あたりで既に飽きてしまっていたようですが、5歳の長男の方は最後まで一緒に応援してくれ、また来たいと言ってくれました。聞いていた通り、春の甲子園は結構冷えましたが、応援し続けていたおかげで寒くて震えるほどではありませんでした。三回戦が週末にかかってくれればまた応援に行きたいところなのですが、さすがにもう一度会社を休むというのはちょっと難しそうです。今度はウェブで経過を追いながら、静かに応援することにします。私にとってはまさかのベスト8進出を決めてくれましたが、今後どこまで勝ち進んでくれるでしょうか。