これまでにも何度も話題になったことがありますが、AppleがIntelのCPUの採用を検討しているということがThe Wall Street Journalに取り上げられていますが、PC専門誌などではなく一般紙ということで各新聞などでも話題になっているので、それなりに信憑性は高いのかもしれません。

そもそも今のMac OS XのベースとなっているNeXTはマルチプラットフォームのOSであり、Intel版も存在していたので、技術的には大きな問題はないのではないかと思います。しかし、Steve Jobsが折に触れMacの優位性を語る場合に「Intel Pentium 4に対してPowerPC G5は…」とCPU性能で比較してきたので、簡単に身を翻すことはないでしょう。しかし、現在のPowerPC G5は消費電力が100Wに達しようとしているため、PowerBook等のノート型PCに搭載するにはバッテリと放熱が問題となっているようなので、Pentium M系の省電力タイプの導入は考えられないことではないようです。

しかし、実際にハイパフォーマンスだからということでMacを選択している人がどれだけいるのかということは疑問です。Macユーザの多くは「クリエータにとって使いやすい」「デザインが洗練されている」というようなところが選択理由なのではないでしょうか。「Windowsよりもセキュア」というような人もいるかと思いますが、それは単にターゲットが少なく攻撃の効率が良くないからではないかと思いますし、「UnixベースなのでWindowsよりも安定している」というのも最近のWindowsも安定してきているのであまり理由にはならないような気がします。結局、Appleは高級PCとしてもMacと、ハイセンスでクリエイティブなOSとしてのMac OSを売るというのでも商売になるのではないかと思いますが、どうでしょうか?

Intelだからといってx86アーキテクチャというわけではないのですが、Mac OSの本来のOSたる部分、GUIを除くベースの部分であるDarwinについてはオープンソースプロジェクトとなっていてすでにx86版が存在しています。しかし、特徴的なGUIの部分についてはAppleが公開していないので実際どの程度現実味のある話なのかよくわかりません。しかし、これまでは自社で開発したいくつかのハードウェアでの動作が保証できていればよかったのですが、汎用のPCで動作させるとなると数限りない組み合わせのパターンで動作することを考えなければならず、Appleにそれだけの力があるとは思えませんし、採算の合う話とも思えないのでまずありえないような気がします。Athlon64ユーザでもある私としてはAMDのCPUを選択してほしいとも思いますが、それはなおさらなさそうな話ですね…