Han Soloそんな背景があったのか…後付けだけど

スター・ウォーズ」といえば今年は映画「クローン・ウォーズ」がまもなく公開されるということで私も非常に楽しみにしているのですが、この作品は最近流行りのアニメの実写化とは逆に、実写で公開された「スター・ウォーズ」シリーズの世界をCGアニメで描いたものであるということにも注目です。といっても、「スター・ウォーズ」に限らず最近の映画、特にSF作品はCGに頼り切っていて、俳優はブルーバックないしグリーンバックの前で演じているだけということも珍しくないので、背景や大道具・小道具に関しては既にアニメと実写の違いなどほとんどないかもしれません。予告を見る限りでは「クローン・ウォーズ」についてはあえてアニメっぽい質感に仕上げているようですが、これはCG俳優が妙にリアルだと不気味に感じますし、それとのバランスを考えてのことなのかもしれません。

ところで、この「クローン・ウォーズ」はスター・ウォーズの新三部作のうちエピソード2と3の間にあったとされているクローン大戦の様子を描いたものだということですが、今回私は旧三部作のエピソード4の直前に起こった出来事を描いたという「スター・ウォーズ 反乱の夜明け」を読んでみました。この作品はHan Soloを主人公にした「ハン・ソロ三部作」の3巻目にあたるものです。

スター・ウォーズ 反乱の夜明け (ハン・ソロ3部作)
原著:A.C. Crispin
ソニーマガジンズ (1999/06)
ISBN/ASIN:4789713660

これはスター・ウォーズのスピンオフ小説と呼ばれるものの1つで、スター・ウォーズの映画の世界を舞台にその設定に基づいて新しいストーリーを周辺に描いた小説であり、当然ながらLucasfilmの公認を得たものです。映画自体が壮大なスケールの世界を描いたものであるだけに、想像力次第でいくらでも膨らませることができてしまうので、スピンオフ作品もかなりの数のものが存在します。

この作品の主人公は先にも述べた通り、旧三部作の主人公であるLuke Skywalkerと行動を共にするHan Soloなのですが、エピソード4で甘いマスクのHarrison Fordが演じたことでHarrison本人と共に人気のある役柄となり、それはLukeを凌ぐものとすらなったのではないでしょうか。George Lucasがそれを狙ったとはいえ、Mark HamillのLukeは田舎くさくて冴えませんでしたからね…

それはともかく、この作品ではエピソード4以降の設定のうち、Han Soloに関するものの背景が明らかになります。HanはどうやってMillenium Falconを手に入れることができたのか、なぜHanがJabba the Huttに追われることとなったのかについてもしっかり説明されています。ただし、この説明はあくまで後付けで他の人、この作品の著者であるA.C. Crispinが考えたことであって、Lucasが元々頭の中で考えていたものと同じものであるかどうかはわかりません。というよりきっと違うでしょうが、辻褄の合わないところはなさそうなので、こうなのだと思っていても得意気に人に語ったりしない限りきっと問題はないでしょう。

Han Soloの他に映画でお馴染みの人物としては、Hanに欠かせぬ相棒のChewbacca、親友Lando Calrissian、そしてBoba FettにJabbaが登場しますので、映画に出てくる彼らをイメージしながら読んでいると本当に映画を観ているのと同じように楽しむことができました。HanとChewieとの強い絆の背景も理解することができましたし、Hanのロマンスも…これはスター・ウォーズ・ファンなら必ず読んでおくべき傑作ではないでしょうか。私もこのハン・ソロ3部作の残り2作もぜひ読んでみたいと思います。