私が今買うならこれがいい、という車の中のひとつにFIAT Multiplaという車があります。日本では一部の車好きしか知らないのではないかと思いますが、この車の一番の特徴は前後2列にそれぞれ3席ある6人乗りであるということです。そのため全長は4005mmしかないのに、全幅は1875mmもあるという独特のプロポーションになっていて、良くいえば独創的・個性的、悪くいうとマニアック・変な車です。それでも本国イタリアをはじめとするヨーロッパではその実用性が買われ、タクシーなどでも使われているそうです。ただ問題はATの設定がないということで、私自身には全く問題ないのですが妻が嫌がるので、我が家では致命的です。
そんなMultiplaの一番の特徴をパクった車が発売されました。こちらは全幅が1795mmに抑えられている代わりに全長は4285mmあり、普通の車に近いプロポーションになっています。全幅が狭いということは、そのまま車室内の横幅も狭いということになりますが、それは3席の真ん中のシートを後ろにずらして肩が当たるのを防ぐことで対応しているようです。それがこの車のロゴマークにも表されていますから、ホンダとしてはこれをこの車の特徴だと主張しているようです。
でもそれでは中途半端なのではないかと私は思います。Multiplaの場合にはただ6人乗れて実用的だというだけではなく、横に3人が並んで乗れるという楽しさがあったわけですが、それが前後にずれてしまっていては観光バスの補助席のようなもので、真ん中の人は取り残されてしまうのではないでしょうか?
とはいっても一番安い車種では180万円を切る価格帯からありますし、全車ATの設定なので、幅広い購入車層にアピールできそうです。また現在好調らしいホンダですから、それなりの数が売れるのでしょう。それでもこういう実用車の購入を検討する層にとっては「5ナンバー枠」というのはひとつのハードルになるでしょうから、それをどう乗り越えてくるかも注目です。
こういう(Multiplaを知らなければ)個性的な車が出てくることは歓迎しますが、あまりにそつないホンダデザインなので、私自身の食指は全く動かないのは残念です。
